日記×エッセイ...みち

 

 

フリーゲーム「送電塔のミメイ」とうとう3周目日記。その2。 - 2007年03月07日(水)

昨日の続きになります。
今まで同様ネタバレ気にせずコースですので、遊び終わっている場合に反転してお読みくださいませ。

(ここから↓)

<二話>

「コゴリというのは、必ず形を持ちたがるものだ。こちらの世に在りたくて在りたくて、仕方がないのだから。」
“この世に在りたい”という気持ちが、コゴリになるのかな…。神さまでも鬼でもない者だからこそ、コゴリが出るのかもなあ…。


「ああなったら良いだとか、こうだったら嬉しいだとか…、そういう思いが目を曇らせる。」
ありゃ。総が身につまされている。そうか、自分でさっき言ってたばかりだもんねえ。総は、ミメイは自分たちと同類だと思っていたのかな。それに対して夜刀にミメイは“無意識に理解している”と別枠として言われてしまった感じか。

「どんなことにも深く自分が表れないよう、(略)」
夜刀自身が思うのと他の人がどう思うのかはまた別で、夜刀は比較的皆よりもそれができると思われているから、だから総に「夜刀ならさ、深く考えることなく、ばーっと押し入って、だーっと決着をつけられる」と言われるし、後にミメイからも同じようなことを言われる。
(ミメイは誉めた言い方をしていますが、結局は総と同じことを言っているだろうと思う)
総って、擬音語多いねえ。わたしも他人事ではないけども。

この辺りを読んでいて自分でおもしろく感じたのは、以前読んだ時と同じ文章に興味が引かれて立ち止まるのに、以前読んだ時とは違う事柄に引かれている、刺激されるということです。同じ文章なのに、違うことに対して何かを思うみたい。
2周目の感想日記でも上記の文章に対して書いている部分があるのですが、全く違うところに目が向くところが客観的に日記を読み比べてみて気づけたので、それもおもしろかったです。
“…2周目感想でも、ゲームのこの文章をとりあげて書いたなあ”と思って読み返して比べたら、見方や注目する場所が全く違っていたのでした。


「自分の恐怖や不安から生まれたコゴリ鬼ならば、喰われるのは怖かろう。」
はあー。なるほど。
怖さから生まれたものに喰われると怖い、と。
ということは、忘れられない純粋な思いから生まれたコゴリ鬼に喰われるとするならば…怖く、ないんだろうね…。
それどころか。
ううん、これはほんとうに困るね…。


<ハナちゃんの閑話>

「けれど、それではいざ決着をつけようとするときに、(略)」
ハナちゃんって鋭いなあと思いました。この物語のクライマックス場面までお見通しですよ…。

そして、それに対するミメイの言葉を読む。
「そうかもしれないが、それは私の弱さだろう。いつか克服するよ。夜刀のほうは、きっと向かって来るものに容赦はしない」
それは、克服するような“弱さ”なのだろうか…。そして、この先どういう展開になるか、夜刀はどうしたかということと合わせて読むと…、ねえ。

ちなみに、三話でナギさんに「ハナは最近怠けていたぶん、ちゃんと働く。」と言われますが、ナギさんはこの頃のハナちゃんをどういうふうに見てたのかなあとか思ったりもしました。
怠けていたことを、責めるわけでも叱るわけでもない辺りに、ハナちゃんを信頼している感じやハナちゃんをわかっている感じを受け取れます。


<ナギさんの閑話>

3周目でもまんじうが気になってしまいました。
さっさとふたつめのまんじうを手に取るナギさんのシーンに注目しました。
その時のナギさん目線の地の文。
「ふたつ目のまんじゅうに手を伸ばしながら応えると、ミメイちゃんは少し驚いたようだった」
その後のミメイのセリフが「ナギさんは、そんな頃から夜刀を知っているのか?」だったので、わたしはてっきり、ミメイが驚いたのは“夜刀をそんな頃から知っている”ことに対してだと思っていました。
思っていましたよ。
…。
“ナギさん、2個目のまんじうに行くのか!?”という驚きとして受け取るようになってしまいました。


「意味のないものだから、コゴリはひとの念を…、この世に在るための理由を求める。」
この文を読んで、コゴリってひとみたいだよねえ、と思いました。意味がないようなものにも意味を作りたがるのが人間だし。
ひとと寄り添って生きること、誰かがいるから力が出るということ、わたしは素敵なことだと思います。
ただ、これも「丸投げ」だと嫌で、人に全体重をかけて寄りかかったり、誰かの力を貰うことを期待するということが当然であったりだと、ちょっとね…と思います。
だから、薄めのコゴリは嫌いじゃないだろうなあと思ったのですが、そうか、薄めのコゴリというなら、もともとのミメイのことになるか…。


3周目は理想通りに読めています。
3周目にしてやっとですが、泣かないで済んでいますし、文章がさやさやと心地よく感じながら読んでいます。

つづく…かもしれない。



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