フリーゲーム「送電塔のミメイ」とうとう3周目日記。その1。 - 2007年03月06日(火) 1周目に遊んだ時は、素のままの自分でじっくり読もうと思っていました。同作者さんの前作を遊んでいるので、1度読んだだけでは絶対に全てを味わえる気がしなかったし、読もうとしないとほんとにさりげないから見つからないってことも知っていたし。だからまずは、今できるだけの努力だけしとけ、って感じで読みました。 2周目に遊んだ時は、話がどんな流れかを知っているし、どんな性格の登場人物かもある程度把握できているので、そこから自分の感情を同化させたりして感じ取って深めよう、という感じで読みました。 3周目は2周目と逆で、知っていることがあるからこそ、なるべく客観的に見てみようと思いました。地の文に惑わされずに、客観的にその場を見てみようと。 ということで始まりました3周目。 わたしはきっととてもあほだと思うのです。 2度読んでてもまだ気づかんか!って…何度も何度も思うことになりながら読んでおりますよ…。とほほ。 えーと、本日もネタバレ万歳な感じで書かせていただきたいので、プレイしていない方はごめんなさいー。 「プレイをしました!ネタバレOK!」な方に限り、反転させてお読みくださいませ。 それから、あくまでもわたしの解釈なので、受け取り方の一例として読んでいただけたら幸いです。とりあえず現段階の解釈です。 (ここから↓) 短い間隔で話題が飛んでいきます。読み方にご注意ください。 <プロローグ> ミメイの登場シーン。 これはミメイの本能なんじゃないかな、と思いました。夜刀の前に現れるということが、本能。夜刀を「討たねば」と思ったのも、夜刀から挑発されたからだけじゃなくて本能でもあったのかもなあ。 地の文がミメイ視線の場面。 そこを、夜刀の視線ではどう見ているかも同時に意識するようにして読んでみました。物語をミメイの目から見るのでなくて、2人を俯瞰してみる感じに意識。 ミメイの目に映る夜刀の様子を見て、でもミメイの解釈の仕方には影響されないように注意しながら、夜刀の心の動きを読もうと意識しました。 そうしたら、会話がかみ合っていない様が見えました。おもしろい! 夜刀、この会話は楽しかったと思うな。次に来るだろうと予測するとは違った言葉が返ってくるから、かなり想定外だったかと(笑) 夜刀視点の時の「避けること適わぬその力は、神仏か化け物か。」という文も素晴らしいなと思いました。 神仏にも化け物にもどちらにもなれなかった者ですもんね…。 そしてその後に「…おまえは、人間か?」と夜刀が問う言葉。 自分と同じように鬼なのか、鬼の能力を持つ者なのか…?という意味で聞いたのかとわたしは思うのですが。 そういうシリアスモードで問うているつもりで読むと、その後のミメイのセリフは…なかなかいい具合に気が抜けます(笑) 夜刀とともに、わたしもなんともいえない表情になります。 「喰う?コゴリ鬼を?美味いのか?」というセリフも、誰があんなのを口に入れるんだ…って感じだろうねえ。 「おまえも、鬼か…」「ならば、どうする?」とどこか楽しげだったのも、“おまえも、か…。やはり俺と同じ…!”といった感じだったのかなと。 「こちらの動きをうかがっているのか、男は斜めに刀を構えたきり微動だにしない」も、“さあ、どう出る?俺の動きを読めるのか…?”といった感じだったかな。 なのに、どうも夜刀が緊張感を持つそのままの展開でいかないのであるね。 「俺の先に、何が見える?」とミメイに刃を突きつけて聞く場面。 それまでの自分が「人の、助けられない未来」ばかりを見てきた悔みや罪の意識みたいなのをずっと持っているから、もしも同じ能力を持っているのならば、そんな自分の未来はどのように見えるのかと、つぐないのような気持ちを持ちながら尋ねたのかなと思ったのだけど。 これまた。そんなシリアスモードでミメイのあのセリフ…。変な顔にもなるわな(笑) 夜刀が意表をつかれる時の気持ちを一緒に味わうのが、これまたおもしろいです。 3周目プロローグにて、夜刀が怒っている意味も、警戒した眼差しで睨んでいる意味も、ミメイの解釈にまかせてはいけないと思いました。 この後一話の方でも何度かそう思いましたが、ミメイが勝手に察することは、大抵が間違っている(笑) <一話> ミメイの持っている知識は、ミメイ自身の持っている知識になるのかしら。 としたら、化け物が最近現れだしたということも知っているということか…? どうだっけ…。←3周目… 遥か昔から、コゴリ鬼はいたのですね…。 コゴリを出し続ける日々の長さを思うと…辛いですね。そんなに長い時間、うつうつとコゴリが出てしまう気持ちを持ち続けていた…。 お、一話で夜刀がミメイに興味を引かれている様子がわかりますね。ミメイの受け答えの突拍子のなさがいいのですかね。 「つまらなくはないし、わからんでもない。が、やっぱりおまえは阿呆だなあ」 夜刀のいう阿呆は、損をしやすい、って意味なのかな。話の意図が読めないって意味もありそうだけど。 故郷に錦を飾りたい。「立派なことだ!」と誇ったり自慢したりする人もいる一方で、それをあっさりつまらないものとしてしまう辺りが損をしやすそうかなと。 夜刀、がっかりされるとムッとするところがかわいらしいですね。 化け物ができることが自分にできなくとも別にいいじゃないか(笑) そしてこれ、子供の頃からの夜刀の質に繋がっていますねえ。「何かをしないと」って思いやすいものをずうっと持っているんだね。 夜刀がかなりミメイを気に入ってきていることもわかりますね。っていうか、ミメイは気づいてないけれど、すでに嫁にする勢いのようにも発言の意味が取れますな。深読みしすぎでしょうか? そしてハナちゃん。 もう、この頃もハナちゃんは…、と思いました。夕方はコゴリ鬼が出てくる時間。 1周目、2周目と、「夜刀ちゃん!」とうれしそうに手を振る笑顔のハナちゃんの印象が強くて、…ほんとに気づきませんでした…。ごめん、ハナちゃん。 さて、…テッちゃんは本名はなんでしたかね。 ミメイがコゴリ討ちに島に来たと行った時に、危ないよ、逃げないとだめよと気遣ってくれるハナちゃん。 …危ないと知っているけれど…それでもハナちゃんは…と思うと唸ってしまいます。 人は自分の聞きやすい言葉の意味で物事を聞くわけで。 ミメイが「大丈夫だよ、心配ない」と言った後のハナちゃんのセリフを聞くと、ハナちゃんは「コゴリには近づいちゃだめ」って自分にも何度も言い聞かせているんだろうなと思いました。すでに夜刀に助けてもらったこと、一度は近づいてしまったことがあって、でも怖くて泣いてしまって「お父さん」を見ることはできなかった。それもあって、ずうっとそれからもハナちゃんの中に残っていたのかもしれないなあと思いました。 「本島の人は物腰が違う」と総が言っていますが、少し変わった雰囲気を持つ子だなと早々に気づいている感じですね。 ナギさんもミメイに興味津々ですねえ。夜刀が本島から女の子を連れて帰ってきたのかー、へえー、あの夜刀がねえー、上出来だ!って感じかな(笑) 「自分でも気づかぬうちに、早くお役目を果たさなければと焦っているのかもしれない。」 おおー!この焦りは本能由来ですね…。 本能からの焦りの意味だとすると、焦らせるものはコゴリ鬼討ちではなく夜刀…。 総を家の前で待っている時に夜刀が現れましたが。 ミメイの後をくっついてくるし、夜刀、一体何しに来たの?と思いました。普通にミメイに会いに来たのか、これは(笑) 「何しろそこは時間もないような場所ですから」 ふうむ。千本格子から出てから、時が動き出す…。 夜刀の知っている鬼の話と、総の語る鬼の話は、どうしてこんなに違うんだろかとふと思いました。 夜刀の方は文書にしてあるというのが大きいのかなあ。いちばん境野の人間が頼られていた、その背景というのもあるだろうし。 総の方は、口伝えなのかもねえ。大体、総の家系は結構アバウトそうであるし、途中で意味がずれてもそんなに気にしなさそう…坊主でも神官でもどっちでもいいような感じだったみたいに。 コゴリ鬼を祓ったことがないという総。 「でも、本当に俺は気にしていないんですよ。別に誰に何を言われても、どうでもいいことです。」 でも、総のそのことについて気に病んでいる杏子のことは、どうでもいいと思わなかったのかもね。 2周目で、総と杏子が祓歌をうたっていることのミメイへの影響に気づいたと先日の感想日記に書きました。 その前に杏子と夜刀がやんやとやりあう場面が出てきますよね。3周目のそこの場面に来て、…あれ?このシーンって杏子は確か…と思って、恐る恐る注意してみたら…やっぱりですよ。 ここでもミメイに歌が影響してるっ! くわーっ!自然すぎるっ!うあー!気づかなかったっ! 総はぬえの声を聞いて、宿主がさっさと誰なのかを気づいていたんだなあ…。(これまた今頃実感した感じです) 「こういう寂しくて暗い場所が、私は何より怖かった。」 わたしは黙ってしまいました。寂しいよねえ、怖いよねえ。…なにげなーく繋いでありますよね、ほんと。 「小さな可愛い子」 神隠しにあった子を杏子がこう言うわけですが。 ぷぷっ。可愛い子っ! 力を発揮した総と杏子を「当たり前だ。(中略)あれは小僧や小娘のように見えても、」と誇らしげに言う夜刀。 ほほえましいです。 うらやましく思っていた部分もあったろうけれど、それだけじゃなくて誇らしいんだなあって思ってほほえましい。 「あいつらの祓歌ではコゴリ鬼しか祓えんからなあ」 3周目、ここを読んでぶほっと吹きだしてしまいました。 今まで何回も読んでいたのに、何も思わなかったけど…、この時点でコゴリ鬼説ははっきり消えますね。 うむー。 すごいー。 というか、わたくしこのゲーム、3周目でございます。 プロローグと一話だけで、どうしてこんなに新鮮に「おもしろいと思ったもの」が出てくるのか…そしてそれを長々と書けるほど出てくるのは果たしてどうなのか。 うれしくもあり、楽しくもあり、情けなくもありです(苦笑) 多分続きます。 ...
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