知らんけど

2004年01月07日(水) 実習の効果

実習から帰ってきて、久しぶりに夜遅くに梅田から阪急電車にのりました。車内はサラリーマンが多くて、なんだか不思議な気分になりました。二年前は自分もこの人たちと同じように、夜遅くに電車で疲れた顔をしながら家に帰っていたっけと思い出したり...

サラリーマンのように、会社のために自分の身を削り、会社の利益を得るために働いている人をどこかで軽蔑しながら自分もサラリーマンをやっていましたが、今日は、なぜだか、この疲れた顔をした人たちがいとおしく感じたのです。不思議と、「大変だったねえ。」「ご苦労さま。」という声が心の中で生まれてきて、自分でも変な感じでした。

実習中に、私が接した患者さんの中に商店街でバリバリと役員の仕事をされていて、その途中に脳梗塞で倒れて失語症になった人がいました。昔のようにうまくしゃべれない自分にいつも嘆いておられました。私に、商店街の役員の仕事は想像もつきませんが、年度末になれば予算を考えるだろうし、運営していく際には費用対効果などを考えコストの削減を検討したりと、大枠で一般的な仕事の話はできました。そのとき思ったのは、「まがいなりにもサラリーマンしててよかったな。」ということです。

実習でさまざまな患者さんを見て帰ってきて、ふと乗り合わせたサラリーマンを見たとき、わたしの心に浮かぶのは私がこの人たちだったらという思いです。サラリーマンと言う職業がどうのこうのではなく、この人たちはこの人たちの人生において、今出せる力を出しながら頑張っているんだなあという思いです。

実習と何がどう関係あるのかはよくは分かりませんし、だからなんだ?と問われれば返す言葉もありません。ただ、疲れたサラリーマンに対して素直に「ご苦労さま。」と、彼らの立場に立って思えるようになった自分に、なんだか気分が良いのです。


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