知らんけど

2004年01月05日(月) 時間について

「脳+心+遺伝子VSサムシンググレート」(養老孟司他3名/徳間書店)でおもしろい話があったのでご紹介。

みなさんが考える「時間」ってどんなものですか?この本の中で、「時間」について二つの定義がされています。

ひとつは物理的時間。時計で表示される時間と思ってくださっていいかもしれません。私たちが生きていようと死んでいようと、何らかの時間の流れがありますよね。地球が誕生してから今までの流れというものがあります。それを物理的時間と定義するそうです。

もうひとつは、固定時間。これは私たち人が感じる時間です。たとえば、カップラーメンにお湯を入れて約3分待つときに、大体三分ぐらい経ったかな。という感覚的時間を固定時間と定義します。

ここで質問。なぜ、時間をこの二つに分けるのでしょう?

面白いのは、この物理的時間=固定時間ではないということなのです。つまりこの世界に流れている時間の流れと、私たちが感じている時間の流れには差があるというのです。

なぜ差が生まれるのか?それは、私たち人間は外界の情報を脳で処理しないといけないからです。処理するということは、それだけ時間がかかるわけです。私たちは普段意識しませんが、ここにあるパソコンの画面を知覚して、それをパソコンと認識するまで一定の物理的時間が経過しているのです。しかし、私たちはパソコンを「今」見ていると感じています。情報を処理している物理的時間の流れを感じないわけです。この「今」という感覚が固定時間と言えます。こうして物理的時間と固定時間との間に差が生まれます。

さらに考えると、私たちの脳が、情報をどのくらいの速さで処理するかが、物理的時間と固定時間との関係を変化させるわけです。脳が情報を速く処理すれば、固定時間は物理的時間に近づきます。脳が情報を遅く処理すれば、固定時間と物理的時間との差が大きくなります。

夢中になっていると時間が経つのが早い。退屈な授業は時間が経つのが遅い。と感じる原因はここにあるのではないか?というのが1つの見解として出されていました。

物理的時間に近づくように、脳にとっても意味のある情報を処理させてあげたいものです。そうすれば、無駄な時間も減るのかもしれません。


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