知らんけど

2003年03月14日(金) 物事の重心

学校は休みに入りましたが、実習が始まるまでは土日祝日を除いてこれからも毎日学校に通うつもりです。今日は、再来週から始まる実習とは直接関係ありませんが、障害を持つ方の移動を手伝うための技術の訓練をしました。ベッドから起き上がれない人を、ベッドの上に起き上がらせて、車椅子に乗せるための訓練です。人間を持ち上げてみればわかりますが、人間は非常に扱いにくい物体です。それをいかに最小の力でお互いに負担なく移動させるかということを学んだわけですが、目からうろこの状態でした。

人間は、生まれつき自分の体のバランスをとるようになっています。そうでなければ歩く事も走る事も座る事もできません。ましてや、座った位置から立つ事さえできないのです。ちなみに椅子に座った状態で、上半身をまったく動かさずに立つ事ができますか?これができないのです。一度、やってみてください。必ず、上半身は前傾します。足を引くという動作を入れる方もおられるかもしれません。何がこうさせるかというと、バランスを取っているのです。通常時の人間の重心は、第二仙椎の前約1インチだそうです。第二仙椎というとお尻の出っ張っている骨の一つ上の背骨になります。まっすぐ立ったり座ったりする時、人間の重心はそこにくるのです。

ですから、椅子から立ち上がるときも上半身を前傾させることで、第二仙椎とのバランスをとり重心を前に移動させることで無理無く立ち上がる事ができるわけです。こうした重心のバランスの取り方を、患者さんの移動のときにもうまく取り入れていきます。患者さんの重心のバランスを移動させながら、自分の重心もうまく操って一番効率のよい動作を心がけるのです。この重心がバシッとはまると、人間の体は極端に軽く感じます。不思議なくらい軽く感じるのです。

漠然とではありますが、このことは人生や普段の生活にも適用できるのではないかと考えました。恐らく、すべての物事は重心を持っているのです。その重心をしっかりと見極めて、その重心に自分の重心を近づけることで、物事はこれまでとは違う扱いやすさを持つのではないでしょうか?自分の長所や特技が重心とすれば、自分の得意なものと、取組もうとしている物事の共通点を探り出し近づけることで、重心が重なってすっと物事が動き始めるのかもしれません。

物事の重心を探ること。なかなかおもしろい視点になるのではないかとワクワクしているところです。


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