知らんけど

2002年10月06日(日) やってみる

矢沢永吉さんがテレビで言っていた言葉に反応しました。

『俺達やることがあるから幸せだよな。』

彼が言う『やる事』とは、人にやらされるのではなく、自発的にすることがある。という意味だそうです。別に矢沢永吉さんの大ファンでも何でもないのですが、たまに放映される矢沢永吉さんの特集は大体見ています。彼の言動が演出されたものかどうかという問題はさておき、例え偶像化されたものであっても大変な魅力を持ったアーティストだと思います。アーティストである限り、彼は自発的に何かをし続けなければ生きていけないわけですから、当たり前の言葉とは言え、私には素直に受け入れることができました。

やることがあるから幸せ。こんな単純な言葉が私の心に響くのは、恐らく自発的に何かをすることによる充足感を味わっていないからではないか?そう思いました。無意識のうちに、携帯のメールをこまめにチェックしたり、何かないかな?と思いながらテレビやインターネットに向かう自分に気付き、ちょっと愕然としたりしています。矢沢永吉さんはアメリカ大陸を車で走って、その大きな自然に何かを感じているのに...

『したい事が無い。』と言う若者が増えているという話しを見たのは、新聞だったか雑誌だったか。以前に日記に書いたかもしれませんが、日本のものの豊かさに加えて情報の豊かさが私達から創造する力を奪い取っているのかもしれません。いや、力というよりもその前提となる意欲をも奪っているのかもしれません。

私の知り合いでご商売をされている方がいます。最近、良く私のところへメールで「客が来ないよ。」「不景気でダメだ。」「儲からない。」という事を言われます。私はそれに対して、自身の未熟さを顧みず「待っていてもお客さんは来ないですよ。」「何か仕掛けましょうよ。」「愚痴ではなくて創造しませんか。」と返事をします。ビジネスにおいては何かを仕掛けなければ、何も始まらないというのは当たり前のことです。しかし、私の知り合いの方は、現在のところ、日々の業務に追われてしまっているせいか、長いスパンで見た利益を考えた戦略の構想と、自身の精神的創造をストップさせてしまっているのです。

と言いつつ、では私自身にこの状況を当てはめてみるとどうなのか?「おもしろくないよ。」「何も楽しいことないよ。」「興味が沸かないよ。」なんて事を口には出さずとも、心のどこかで考えている自分がいたりします。もし、友達がこんなメールを送ってきたら、私はどのような返事をするのでしょう?「面白い事は待っていてもやってこないよ。」「楽しい事したいなら、何か仕掛けましょうよ。」「興味は沸くもんではなくて、自分から持つ物だよ。」と返すでしょう。

知り合いの方への返信を、そのまま自分に返信することになるのです。まさに、有言不実行。思索をめぐらせて色々と受けのいい言葉は思いついても、それが伴わないのですから、情けない限りです。

『俺達やることがあるから幸せだよな。』

この言葉の裏には、「俺達やろうと思って実際にやってるから幸せだよな。」というニュアンスがあるのです。やらされたり、何もしないで何かいいことないかと待っていても何も幸せは向こうからはやってこないのです。幸せを掴むには、動くことなのです。幸せに自分が近づいていく事なのです。


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