知らんけど

2002年08月20日(火)

一人暮し12年にピリオドを打ち、現在、父親と二人暮らしになったことは以前にも書きました。夏休みの頭から、この父親との二人暮しが始まりました。私が、夏休み中は、私が寝ている間に父親は出勤していましたが、私が通学を再開するようになってからは、私の方が微妙に早く家を出ます。

ここで大きな問題が発生しました。父親は朝風呂が好きで、結構、時間をかけて風呂に入ります。その父親の入浴時間が、ちょうど私の朝のシャワータイムと重なるのです。今日の朝が、それに気付いた朝でしたが、私はベッドの中で遠くの方で聞こえる水の音を聞きながら「ヤバイ」と感じていました。一人暮しになれきった私は、このような事態をまったく想定していなかったのです。

これは戦争と言っても過言ではないでしょう。朝のトイレ、朝の風呂、朝の洗面台... 戦場は約3ヶ所。そして、その狭い三角形の地帯をニアミスしながら、朝の忙しい時間を過ごすのです。ん〜、家族で暮らすとはなんと危険なことなのだ。と改めて思いつつも、朝から生身の人間に向かって「おはよう」と声を出したり、戦場をくぐりに抜けて「行ってきます。」と言える幸せを感じているのです。父親の存在自体には、なんか面倒臭い感じが無いわけではありませんが...

月曜から始まった、集中講義では「音響学」をやっています。私達、言語に携わろうとしている人間にとって「音響学」は非常に大事な科目です。なぜなら、ことばの基本は音だからです。どのように、音が生成され、どのように音が伝わるかという概念は、基礎知識の中の基礎知識であるべきなのです。

人間が発する音というのは(他の動物も恐らく同じだと思います。)、とても複雑な過程を経て音として発声されます。まず、肺から空気が気管を通じて押し出されます。その途中で、声門を通過し声帯を震わせたり(有声音)、声帯以外の部分を狭めることにより空気に振動を与えます(無声音)。例えば、「あ〜」と言いながら喉を触ってみると声帯が震えているのが感じられます。また、「ふ〜」と唇をすぼめて空気だけをため息を付くように出すと、空気が擦れる音がします。

生成された音は、音波として空気中を伝わります。知っていますか?海などで見られる波は「横波」で、空気中を伝わる音波は「縦波」なのです。横波とは、まさに「〜」です。縦波は表現しにくいのですが、ミミズが這っている姿を思い出してください。バネのように延びたり縮んだりするようにして、密度の濃いところと薄いところが交互に前に進んでいくような波なのです。

こうした、人間の生理学的な側面からの「音」、そして、物理学的な側面からの「音」のルールをこの集中講義でやっています。こうした科学的な側面からの言語リハビリというのが必要だということを先生がおっしゃっていましたが、まさに、私が常日頃思っていることだったので、とても興味を持って授業を聞くことが出来ています。


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