Diary?
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2005年05月30日(月) それはいつも5月の終わりか、6月の最初の頃だ。

 それはいつも5月の終わりか、6月の最初の頃だ。むっとする草の匂いと、明るいけれど鈍く重い太陽の光に体を締め付けられるような気がして、息苦しさの中で目覚める。大きく息を吸い込んでも、周りの空気の温度や湿度が自分の体の中と同じように思えて、溺れそうになる。

 そんな日がキライなわけじゃない。頭がぼんやりして、高い熱を出した時みたいにふわふわして気持ちがいい。霞のかかった世界にぽつりと投げ込まれたような気分だ。何も考えなくても、何も決めなくても、何も判断しなくていいんだよと免罪符を与えられたようでひどく安心する。

 安心してそのまま目を閉じると、赤黒く光り輝く球体が迫り来る、そして猛烈なスピードで遠ざかる。その繰り返しを追ううちに身体は平衡感覚を失い、指先をぴくりと動かしたのを合図にぐるぐると回転を始める。回転を続けながら果てしなく底へ底へと引き込まれてゆく。そのあまりの心地よさにいつしか微睡んで、また息苦しさの中で目覚める。


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