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2003年07月05日(土) ドラクエの功罪

そういえば最近、「ロマノフ王朝展」がもうすぐ終わるから慌てて見に行ったのだった。ロシア正教がらみの展示が見たかったので。

ロシア正教って、そもそもちょっと異端っぽいし、土着の民間信仰とか伝説なんかとごっちゃになってるようなところが面白いなあと思っていたのだけど、何せよくは知らない世界だから今回は楽しみだったのです。

結論。ドラクエの世界でした。

ドラクエをはじめとするRPGか、ファンタジー小説あたりを通じてしか、私たちは中世ヨーロッパのキリスト教世界に接することがないのですよ。まずドラクエで先に知ったもんだから、後から本物を見てもドラクエにしか見えないの。司教の式服だとかアクセサリーとか十字架とか、これはもう絶対どこかの洞くつで迷路を抜けた先に宝箱があって、その中には鍵が入っていてその鍵に合う扉を探して聖なる水かなんかふりかけたりして、そうやって手に入れるものにしか見えなかったです。これは店では買えないに違いない、売ろうとしても“これを売るとはとんでもない”と言われるに違いない、などと下らない考えばかり浮かんできて、とってもとほほな気分でした。

あんまり関係はないけど、ロシア正教のことを考えていて、もう一つ昔から疑問に思ってたことを思い出しました。ロシアの小説やら昔話やら、とにかく物語には「愚か者」がよく出てくる気がします。イワンの馬鹿とかね。最近だとレニングラードカウボーイズの映画にも出てきたな。村に一人はそういう「白痴だけど純粋で本能的に世界の真理を知っている」といった役回りの人物がいることになってる。あれは一体なんのメタファーなのか、物語に取り込まれた起源は何なのか、ずっと気になってたのでした。誰か教えて。


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