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■ ダブリンの石畳【二日目】
二日目。
今日は一人で動くことに。アイルランドといえば古城。ダブリン城は市内にあり行くのが簡単だが、なんとなく電車に乗って郊外の風景も見てみたくなったので、マラハイド城に行くことに。駅でマラハイドまでの切符を購入し、ホームに向かう。鉄道発祥の国、UKだけに電車の駅すら風格を感じてしまうのは錯覚か?ディーゼルを使っているのか、ホームに排気の臭いを感じるあたりが外国の駅らしくて良いですね。
郊外の風景を眺めながら電車に乗ること30分。マラハイドという小さな駅に着くと、雨が降っている。もっと城までの道のりがはっきり書いてあるかと思ったらふつうの駅でびっくりした。何もない。家々の間隔が大きくとられたとてもイギリスらしい住宅街が続く。困っているとおばあさんが「この森を抜けていくとマラハイド城が見えるよ」と、まるでRPGのようなアドバイスをもらう。
UKなんだから妖精とかでてこないかな、って思いながら草原やら森を抜ける小さな道を歩き続ける。草原にはサッカーグランドに加えて、ラグビー場も数多くあって、また、その隣に小さなゴルフコース。素敵な環境ですね。生まれ変わったらこんな街で育ちたい、と思った。(台東区は台東区で楽しかったけどね)
森を抜けると突然古い城がでてくる。エイジオブエンパイアの世界。草原の中に建つ古い城の中を見学する。各部屋のデザインがそれぞれ時代が違う。その時代差たるや100年のオーダー。城の主が変わり、時代が変わっても城は外の姿を変えず、中身だけが変化を続けてきたことが伺える。まさにアイルランドという国を体現している。
城の見学を終えた後、一回の喫茶店で、紅茶とサンドイッチでお昼をとり、また先ほどの森の道を通り駅に戻る。ダブリンの街に戻り、今度はトリニティカレッジに行くことに。この大学もまたUKでも屈指の歴史を誇る。目的は「ケルズの書」という世界で一番美しいといわれる本をみることだったが、キャンパス自体も非常に美しい。図書館の一角が博物館のようになっておりケルズの書に関する説明やケルト文化についての説明がある。最後にケルズの書が現れるが、多くの歴史的動乱を乗り越え、守り抜かれた本に対面する。アルファベットで書いてあるが、何を書いてあるか全くわからない。美しいことは確かだった。
なによりも最後に通された、図書室が圧巻だった。古城よりもケルズの書よりも、どこよりも長くいたと思う。あいにく写真撮影ができなかったがこのURLに画像を見つけた(http://otter.covblogs.com/archives/images/TRINITY-COLLEGE-LIBRARY-DUB.jpg) こうした知の集積と共有のプロセスこそ、文化を育み、次世代の発展をもたらす活力の源なのだ、ということをさんざん論文で書いてきたが、その集大成を目の当たりにした気がする。
トリニティカレッジを後にし、さらに市内を歩き続ける。名所の一つ、クライストチャーチ大聖堂を見る。ほんの10分くらいで見終えることができるかと思ったが、大聖堂もすばらしいが、12世紀からほとんど変わらず元のまま残っているのは教会の地下聖堂も圧巻だった。クリスマスに向けてなんだろうか?聖歌の練習を見学する。みんな普段着で、しかも老若男女なところが素敵ですね。名所が名所たるゆえんは、地域と一緒に発展を続けていることかもしれない。
最後にギネスビールの工場を見る。こここそがアイルランド最大の観光名所なんだろうと思った。休日ということもあったが、建物の中に入る前までにも人々が列をなしている。並んでいる人々がしゃべる言葉が多種多様なのが、絶好調な欧州経済を表している。週末には、飛行機で物価が安く、美しい街で過ごすわけですね。前の日に見たジェイムソンの工場の方がよりリアルに作られる課程がわかると思う。それくらい施設が巨大でシステマチックだった。(私がもっとも感動したのは、ビールを造る課程よりも、樽を作る課程だった。あれって意外と手間暇かかっているんですね。知らなかったよ) どんどん、フロアを上りながら見学をしていくが、最後の7階のフロアは、バーになっていて、ダブリンの夜景を楽しみながら、やはり入場券についているクーポンで一パイント飲むことができる。
途上国は途上国で楽しいが、ヨーロッパも素敵だ。街角毎にシャッターチャンスが訪れる。
2007年12月24日(月)
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