| 2009年06月27日(土) |
白医師ギルドに抜歯してもらった |
�掘�affannoso
・・・なんだか昔のリアルに甘酸っぱい思いでに浸ってしまった。
時計を見る。約束の時間をとうに過ぎていた。
またいつもの待ちぼうけだ。
「やっぱりな」
小さく呟きながらうつむいて、またつま先をぼうっと眺める。
もしかして、今日のデートも夢とかじゃねえだろうな。
ピカピカに磨き上げられた革靴が自分の空回りを責めているようで、
だんだんこっ恥ずかしくなってきた。
ふいに悲しくなってきて、空を仰ぐ。
大体待ちきれないから早めに来ようとか思わねえの？アイツは。
ロマーノはため息をひとつついて、また目を閉じた。
瞼の裏でロマーノを抱きしめてくれるスペインは、あんなに優しいのに。
スペインは、巻きついたロマーノの腕を外して、膝を折って向き合った。
「俺な、ロマが来てからなんもあげてへんから」
作ってん、ホラ、やる。と言ってスペインはロマーノの鼻先に何か
突き付けてくる。それは銀の細工がされた小さな鏡だった。
閉じこもって作っていたのはこれだったのか。
「さっきまで、かかったけど、結構がんばってんけど
…あんましかっこいくならへんなあ」
ロマーノが顔を上げると、顔を真っ赤にしたスペインが照れ臭そうに、
くすぐったそうにそっぽを向いていた。
こんな照れ方をするのか。まるで自分が照れた時みたいだ。
ああ、そうだ。きっと彼は心から照れているんだと思った。
ロマーノは知っている。
スペインが、何かにつけて自分の国よりイタリアが生み出すものの方が
優れていると信じていることを。
一生懸命作りながら、思ったような立派な出来栄えにならない焦りで
だんだん落ち込んでいったスペインの様子まで、手に取るように
想像できた。くすぐったい暖かな気持ちがじわじわと身体を支配する。
なにか、なにか言わないと。
頭が沸騰して、喉が震える。これが「カンゲキ」ってやつなのか！？
今まで自分は与えたり奪われてばかりいたせいで、どうやって気持ちを
伝えたらいいかわからなかった。指先が強張る。焦って銀に傷がつくほど
爪をたててしまう。こういう時、なんて言うんだっけ。ホラ。
早く、あの言葉を言わないと。
スペインが困った顔をしている。
「…変やった？」
だんまりのロマーノにおずおず聞いてくるスペインに首をふる。
「イタちゃんとこみたいにおしゃれに造られへんかってん」
もっと強く、首を振る。
「・・・い・・・・・いらへん？」
もっと大きく首をふった。涙が飛び散る。
「も、もしかして、う、うれしい、とか」
「当たり前だろちくしょーー！」
そこでようやく、「ロマかわいいーー！」と抱きしめながらスペインが
笑ってくれた。今まで見た中で１番の笑顔だと思った。
スペインがやってのけたこの仕事がどれほどの価値のものかをロマーノは
十分わかっている。この後、何を言ってくれるのかも。
額に優しくキスをして、「これからもずっと一緒やで」と言った。
好きが爆発する瞬間を実感した。
良いワインを開けて、新鮮な魚を買ってきて、その夜は、久しぶりに
２人でご飯を作って食べた。もちろんトマトもたっぷりと。
同じトマトでも、目の前にトマトと自分を育てたスペインがいるだけで、
いつもの数倍おいしく感じた。
まだ腫れていたロマーノの顔を見ながら「トマト」みたいという
スペインの満面の笑顔にボーッと見とれながら、本当にそう思ってくれる
なら、もういっそ食べてくれればいいのに、と思った。
でも、結局ロマーノは残念な性格が邪魔をして「ありがとう」と
言いそびれてしまった。せめて肌身離さず持つことで気持ちを伝えよう
として、銀の鎖をつけてもらって、いつでも首からぶら下げて
胸ポケットにしまっておいた。
大きくなって、落とさない自信がついてからはポケットにしまって
いるけれど、スペインと会う時には必ず彼の目にふれるように
意識していて、今でもそれは続いている。
次回、親分が現れる・・のでしょうか！？
過去と待ちぼうけ中と繰り返して書いているので、分かりにくかったら
ごめん遊ばせ。
はい、改めましてにのらです。
今朝、親知らずを抜きまして、もうこれ以上はないと思えるくらい
腕のいい歯医者で、なんかやたら最中に「ヨイショ！」とか「ンショ」
とか気楽に工事を進めるから、施術中「この後一大スペクタクルが…」と
ドキドキしている内にいつの間にか抜かれていました。ねずみ小僧みたいな
やつですね。１時間口をあけっぱなしの中、ロマーノについて考えて
いたのですが、ちょっと下ネタになってしまったので割愛です。
午前中に抜歯して、麻酔のおかげでこれっぽっちも痛くなかった
のですが、上の絵を描いている途中から、じんわりと痛みをかんじる
ように。間に合ってよかったぜ〜、日記に。
今日は安静にしやがれちくしょー、なんで、ちょっと寝ます。
お休みな埼玉。
| 