| 2009年06月28日(日) |
VIVA！次女達が帰った！！！ |
�検�sognando
「ロマー・・ノッ！ごめん！ごめん、なっ！！」
はっとして顔を上げると、いつの間に来ていたのだろう、
スペインが肩で息をしながらペコペコ頭を下げていた。
階段を一気に駆け上がったのだろう。額に汗が浮かんでいる。
珍しく、変なＴシャツじゃなくてグレンチェックのジャケットに
濃いグレーのシャツで来た。手にはボルサリーノのパナマ帽まで
持っていたけれど、被る気は無いらしい。
走りにくかったのか、上着は脱いで、シャツ１枚だ。
ネクタイも緩んでいて、なんていうか、台なしだ。
表情はどこまでも情けない。よくみたら顔色がすごく悪かった。
髪も変な方向にぴょこぴょこ踊っていて、疲れているんだとわかった。
きっと、今日のために少なからず仕事で無理をしたんだろう。
ひょっとするとあまり寝てないんじゃないだろうか。
シエスタ大好きな男なのに。笑顔の下に、色濃い疲労がにじみ出ている。
そうわかると、自分が随分前から予約していた店のことや、ずっと
気にしていたスペインの服装のことなんて、急にどうでもよくなった。
むしろ、外見を気にして慣れないスーツを着せるためにヴェネチアーノまで
巻き込んで無理矢理小細工した自分がちょっぴり恥ずかしくて、
申しわけない気持ちになる。
「ごめんな。食事、行こか」
と笑いながら手を差し延べるスペインに
「ウチ、来いよ」
思わずそう言っていた。
とにかくスペインが一番落ち着ける場所で、気取らずに、のんびりと
話をしたい。だいたい、デートの場所だって、勝手にロマーノ側だって
思い込んで押し付けた。舞い上がって２人の家がどれほど遠いかも
考えなかった。そこまで頭が回ってくれなかったんだ。
そうだ、ウチに来ればいいんだ。
ロマーノの家で、スペインが途中で眠ってしまってもいい。
長旅の果てに休む間もなく高いレストランに連れて行かれて、
かしこまったまま居眠りするスペインなんてかわいそうで見てられないから。
「え？え？ロマの家？なんで・・・」
と戸惑うスペインの腕を、「いいから来いって」と引っ張った。
幸い食材だけはいつでも困らないようにストックしているので、
食い物には困らない。強引に腕を掴んだまま、家まで連れ帰る。
最初こそ、「なんでなんで」とうるさかったけれど、スパーニャ駅から
メトロに乗って、テルミニ駅で別の路線に乗り換えたころには、
まあいいか、という感じでポツリポツリと近況報告なんかし始めた。
座席にだらしなく投げだされた掌に、自分の指先がほんの少しだけ
触れているのを感じながら、それだけで満たされていくその柔らかい
気持ちに自分のほっぺたが自然と緩んだ。
幸いウチは片付いていた。
（幸い家事のできる弟が、週末になるとせっせと片づけているのだ）
スペインが
「あれ？？うそ？？ロマの家、キレイやな。こんなにきれかったっけ？」
と言うので
「俺だって片づけくらいするぞコノヤロー」と応じておいた。
別に掃除とか、なんもしてねーけど。
ヴェネツィアーノは今日は帰ってこないはずだ。
念のため、スペインがリビングに入ったのを確かめて、その間に家中
走り回って弟の不在を確認した。ついでにベッドルームを確認して、
新しいシーツの感触にホッとする。ここも替えてくれたらしい。
スペインを休ませてやりたいだの、寝てしまっても良いとか言いながら、
期待している自分がちょっと悔しい。ごまかすように乱暴にドアを閉めて、
一気に階段を駆け降りた。
少しもったいないけれどスペインのスーツを脱がして、洗濯籠から
ヨレヨレのシャツを引っ張り出して投げ渡して、自分もいつもの部屋着に
着替えてエプロンをしめる(これも弟のだ)。
脱がしたスペインのスーツのポケットから、何か転がり落ちてきて、
床にカシャンとぶつかった。小さなてんとう虫だ。
「あー…、それ、ロマに」
「ガキじゃねーぞアホちくしょう！！」
思わず破顔する。やっぱりスペインはスペインだ。
思った通り、あのジプシーの女の子の押し売りに勝てなかったらしい。
それに、今だに俺がこんなものを喜ぶと密かに思っていやがる。
かわいいな！こんちきしょーめ。
子分扱いも子供扱いも、スペインだから心地よい。
ほんとうに、なんで、いつ、どんな役立たないものをくれた時でも、
こんなに胸が騒ぐんだろう。
半地下の貯蔵庫から、パスタやら乾燥させたハーブや瓶詰のオリーブやら
を取ってくる。肉も卵も野菜もトマトも、ちょうど昨日フェリシアーノと
買い出しに出かけたのでたっぷりある。
スペインに手料理をふるまうなんて、久しぶりだからちょっと緊張する。
腕に自信はあるけれど、なんとなく、スペインが側にいると急に自分が
頼りなく思えてしまうのだった。頼りたいと思ってしまうせいか。
それでもいそいそと黒いエプロンなんかつけて料理に取り掛かり、
あまつさえ「オマエは休んでろよスペインコノヤロー」などと
言ったせいか、どこか腑に落ちない不安げな様子で料理をする
ロマーノの側に来て
「手伝おか？」
と恐る恐る聞いてくるのを
「いいから座ってろこのやろー！」
と追い返す。
「もしかして、俺遅刻したせいでレストランの予約に間に合わなかったん？」
と聞いてきて、しょんぼりと健気なセリフになんだか胸が痛んだから、
少しだけ口調を優しく替えて、
「ちげーよ。家のほうがゆっくりしゃべれるし、
レストランなんか最初から予約してねーよ！」
と答えてやった。
スペインがほっと息をついて、腕をロマーノの腰にまわして顎を頭に
乗せて甘えてくる。しばらく硬い顎の感触があった後、頭のてっぺんに
柔らかいものが当たる。じわじわと、どうしようも無い気持ちが
あふれてきて、ロマーノは少しとまどう。
久々の接触で、体中の細胞がタランテラを踊り始めるのを感じた。
「家にしてよかったぜ…」
「え？なんか言うた？」
「なんもねー…」
つくづく、レストランなんて行かなくてよかったと思う。
会えば触れたくなるし、触れればもっと深くねだってしまうのなんて、
わかってたじゃないか。
だって、スペインが、こんなに近くにいる。
首だけで少し振り返って、唇を尖らせてキスをねだった。
それに応えるようにスペインが唇を合わせてくれる。
無理な体勢のせいで深入りできず、消化不良なキスだったけれど、
心は十分満たされた。スペインが肺に溜めこんでいた空気を
満足げにゆっくりとはいた。彼もまた同じ気持ちなのだと思うと、
いたたまれなくなって首根っこにかじりついた。
何度も角度を変えて、よりいっそう深く唇を合わせて、争うように舌を絡めている
と、あれこれ思い描いていた話したい事なんて、全部吹き飛んでしまう。
息継ぎの時に薄めを開けたらスペインのまつ毛が震えていて、
こんなにはっきりとまつ毛が見えるほど近くにいることと、
自分が求められていることにいつも以上に身体が感じた。
とりあえず、今日のデートは二人きりでたくさんゴハンを食べて、
たくさん触れ合って、疲れて眠ってしまうまで。ロマーノは、
アイロンも当てていない洗いざらしのシャツを着たスペインが
スーツの皺を気にすることなく自分を抱きしめてくれるので、
改めて「家にしてよかったぜ」と満足するのだった。
改めましてにのらです。
今日は次女達の引越し準備が完了して、やっと我が家を後にしたので
小躍りしております。タラランタラランタランテラ。
日記でグダグダ書いておりましたロマーノ物語も、文末に「とりあえず」
という禁断の端折りワードをねじ込んで無理矢理終わらせ
ました。この後のなし崩しのエロシーンは、あったにはあったのですが、
にのらが書くと生物の授業みたいになったので、諦めました。
次はネクラな話にしようと思っています。
イタリアに行ったことが無いことは無いのですが、あまりに不勉強で
何も覚えていなかったので初夏の陽気の中、抜歯痕を腫れあがらせながら
朝から一日中調べ物をしていました。
ヴァルガス兄弟の家はどにあるんやろ？？国会議事堂かな？？
上院がアマダ宮で下院がモンテチトーリオ宮？？へーそうなん。
見たところサンティニャツィオ広場という場所がいちばん凝ってて
可愛かったのですが、でも、ロマーノなのでフォロ・ロマーノに近い駅に
しました。そしてスペインの服装について何も考えていなかったので、
イタリアのブランドを調べ、でもまあグッチかアルマーニでいいやろと
落ち着き、さらにナポリに素晴らしいシャツメーカーがあることを
発見してナポリっ子ロマーノのためにうれしくなりました。
まったく調べ物が多すギルぜー（ハイここまでどうでもいい）
そういえば、本家ブログの最新で、スペインとロマーノがデートしてて
鼻血ぶっこきました。なんか体中にウミガメの赤ちゃんをくっつけて
いて、スペインが大層かわいかったです。必見ダヨ！！！！！！！！
☆ロマスペさん☆
こんにちわ！にのらです。メッセージをありがとうございました！
にのらもロマスペ好きですよ！昨日抜歯しながら妄想はもっぱら
↓ロマスペ臭ただよってました。つーかにのらもどっちも好きです！
Ｑ・アントーニョさん、抜歯どうでした？
あれ？ちょっとお下品かな。（サイテー）
ロマスペの場合は、天然で性に解放的なスペインが、自分の魅力に
気付かずに仏やら英やらに野放図に言いたい放題していて、
それが心配すぎて許せない心の狭すぎるロマーノがやきもきしている
ヘタレヤンデレ具合がたまりません。もしスペインが女の子だったら、
腰にかじりついて「オレを捨てんなこのやろー！」って泣いて欲しい。
あ〜次女がいないというこの解放感・・。
久々に、あれこれしたいわん・・・・・・・。
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