| 2009年06月25日(木) |
スペイン領にのらの日記 |
��.teneramente
目の前には泉があって、噴水の先には高級店が立ち並んでいる。
待ち合わせの場所にうってつけのこの場所で、ロマーノは大昔から
たくさんの出会いを見てきた。もっとも、観光客でも土地の人達でも、
女の子でなければ特にロマーノは興味は無いのだけれど。
てんとう虫の小さなおもちゃを箱いっぱいに抱えた小さなジプシー
女の子が前を横切った。焼けた肌に、大きな瞳が少しだけ、待ち人に
似ているような気がして軽い嫉妬を覚える。
「兄ちゃん、これ買ってよ！」
と押し付けてくるのを軽くかわす。案外あっさり引き下がった。
これからここにくる優しい男は、きっとこの子からせがまれて
このおもちゃをひとつ買うだろう。少し困ったような表情は、
もしかしたら始めてロマーノがスペインから手作りの贈り物を
もらった時、照れ臭そうにしていたあの顔に似ているかもしれない。
ロマーノにとって大事な思い出だったから、その時のスペインの事は
今でもはっきりと思いだせる。そんなとっておきの表情が、
ガキとはいえ見知らぬ女の子に見られるなんて、普通にいやだろ。
ポケットから小さな鏡を取り出して、それを誰が見ているわけでも
ないのにさも愛しげに見えるようにひとなでした後、少し乱れて
しまった前髪を整える。この鏡こそ、スペインからもらった思い出だ。
ロマーノは腕時計を確認した。あと数分で待ち合わせの時間だ。
遅れてきたスペインが、慌てながら自分をキョロキョロと探し回って
いるのを見るのが好きだ。会う前から少し笑顔になっているスペインが
自分に気付くまでの時間が好きだ。
今にも駆け寄って「おせえぞちくしょー」とか言いたい気持ちを
抑えながら頬杖をついて、声が掛かるまで喉が詰まりそうな恋情に
じっと耐えている時間ですら好きなのだ。
ロマーノはいつもスペインを呆れさせる天才だったけれど、彼と約束
した時間にだけは絶対遅刻しない。今まで自分を守るために散々戦って、
散財の末に大怪我まで負ってくれたスペインを待たせるのは嫌だった。
自分も大概ルーズだけれど、スペインに待ちぼうけを食らわせて
心配をかけたり不安にさせたりすることだけは、たとえ自分でも許せない。
逆に待たされるぶんには何日でも何年でも待てるだろうと思う。
遅刻は困った習慣だけれど、彼なりに悪いとは思っているらしく、
いつでも素直に、ロマーノの機嫌が治るまで(もちろんフリだけど)
根気強く謝って、最後にはかならず愛してると言ってくれるのだ。
スペインは黙っていればそこそこいい男だし、性格はまめで優しく
意外とロマンチストだ。体もいいし、女にきっともてる。
本人は気づいていないけれど、チラチラと彼を気にする女の子が
ひとりやふたり、必ずいる。
「（どうか誰もスペインに声を掛けませんように）」
と祈りながら、つま先を見て暗い気持ちをごまかす。
お人よしのスペインのことだから、声を掛けられて邪険になんてぜったい
できやしないのだ。願わくば、スペインの優しさが全部自分のものに
なればいいなと思うけれど、そんなことロマ―ノは死んでも口に出せない。
素直になれない以上に、スペインに重たがられて敬遠でもされたら、
それこそピサのてっぺんから飛び降りて死んでしまいたいと思うから。
そんな事を考えながら、もう一度時計を見る。とっくに約束の時間だ。
でもまだスペインの姿はみえなかった。アイツのこの悪癖だけは治らない。
この時間は何百年一緒にいても、いつでも不安で心臓がきゅうと音を立て
そうだ。事故にあったかな？いやもしかしたら、愛想をつかされたんじゃ
ないかな？と思って、心がズブズブと沈みそうになる。
気持ちを立て直すために、手にしていた鏡を握りしめた。
鈍い銀色に控えめな宝石がついた鏡は、スペインがヴェネツィアーノに
習って初めて銀細工に挑戦したお手製だった。本当は、ロマーノが
教えてやるつもりでいたのだけれど、弟の放った
「兄ちゃんが教えてあげた方が、スペイン兄ちゃんもっともっと喜ぶね」
の一言で結局教えられなくなったのだ。
(本当にこの性格だけはどうにかならないものか)
結局ヴェネチアーノの教えを鼻の下を伸ばしながら聞いているスペインを
見ていられなくてこっそり姿を消したロマーノだったが、再び部屋に
戻ったとき、もうスペインの姿はそこにはなかった。
それからしばらく、同じ家に住んでいるのにスペインとロマ―ノの
生活のリズムが合わなくなってしまった。ロマーノが起きているときには
スペインはいないし、ロマーノが寝たころにそっとベッドに入ってきて、
朝ようやく会えたと思ったらそそくさといなくなってしまう。
今まで、躾の緩いスペインは自宅のどこで遊んでも咎めなかったし、
どこに行ってもロマーノがついて来ると優しい顔で「一緒に行く？」と
抱き上げてくれるのが常だった。
そんな時、ロマーノはいつでも、スペインの服のはしをこっそり
にぎりしめながら、どうにかしてもっともっといっぱい甘える方法は
無いものかと落ち着かなかった。文句を言いながらも側を離れられ
なかったのも、いつでもスペインの好きな時に自分を抱き上げてくれて
いいんだぞという意思表示だったのだ。
意図的に姿を消されると、どうしていいかわからなくなってしまう。
そうして、不器用なロマーノのヤキモキが頂点に達して、涙と鼻水を
垂らしながら実家に帰る荷造りをし始めたころ、ようやくドアが開いて
スペインが顔を出した。
「ロマ〜！ロマ！ちょっとおいでー」
「何だよ俺は忙しいんだちくしょー！メシはまだかよコノヤロー！！！」
本当は、忙しくなんかなかった。
「絶対入らんといてな！」と言って小さな部屋に入ってしまった
スペインに不安だらけの気持ちを抱えたまま立ち尽くしていただけだった。
涙をいっぱい溜めてパンパンに腫れたロマーノのトマト顔を見ながら、
ちょっと驚いたようにスペインが出した答えは彼には珍しく正解だった。
「泣いてるん・・・さみしかったん？」
ロマーノも、珍しく素直に胸に飛び込んだ。
「腹が減ったぞコノヤロー！」
出てきた言葉は、素直じゃなかったけれど。
超力続きます。少なくとも３名の需要が確認されたので、続きます。
BGMニューシネマパラダイス。特に内容に影響は無かったようだ。
☆ロマ好きさん☆
心より、ありがとうございますをお送りします！
あまりにも唐突に始まったので、反応がある奇跡に感謝です！
スペインは次回あたり、ようやく現れます。ロマーノが
一人でキュンキュンキャピキャピします。なぜならにのらの
スペインにたいするパトスを代わりに体現してもらっている
からね！！
☆ばなさま☆
スペインからお客さんが来るなんて、盆と正月ですね！うらやましい！
にのらなりに、スペインのオタクの人が喜びそうなものを考えました。
会社の後輩にもちょっと聞いてきました。
【大阪】
●キタ●
＊たこ焼き http://www.takonotetsu.co.jp/index2.html
味はそんなでも無いけど、自分で焼けるのと駅が近い
＊インスタントラーメン発明記念館 http://www.nissin-noodles.com/
これは私が行きたい。マイカップヌードルが作れるよ。
梅田から20分くらいの駅です。
＊梅田の阪神百貨店屋上のビアガーデン
ナイター中継をしていて、おっさん達が楽しそうにしている。
●ミナミ●
＊ドンキの観覧車 http://www.donki.com/index.php
世界初（って書いてあった。どのへんが発なのかは知らない）
＊道具町の食品サンプル http://www.doguyasuji.or.jp/shopping/index.html
食品サンプルは外国人観光客憧れの的
＊ビジュアル系ライブ http://clubdrop.jp/
外国の方は無料ってのもありました 赤ちゃんがいたらだめかな？？
●他●
＊回転寿司 くら寿司のびっくらポンは喜ばれるかも。全国にあるけれど
＊南港のコスプレ http://www.atc-co.com/event/000017
土日には奇妙な生き物が。
【京都】
京都市 市バス専用一日乗車券カード 500円と安価でわりと使える
京都観光一日・二日乗車券 地下鉄も有効なので、遠方に便利
スルッとKANSAI3day・2dayチケット 大阪・兵庫・奈良でも使える
ジャパンレールパスみたいなのがあったら要らないけど・・・・
＊京都のはとバス的なもの http://resv.kyototeikikanko.gr.jp/Teikan/(S(r1zilj450ub1mvret0xesg55))/default.aspx
じっくりゆっくりはできないけれど、楽はできます
それっぽいところ
＊大徳寺内の高桐院で庭を見ながら抹茶が飲める。
周りはくどいほど寺だらけで、部屋もいい雰囲気でお勧め
＊二条城 いかにもな日本の建物に入れて、着物マネキンが見れて楽しげ
＊八坂神社⇒三年坂で模造刀購入⇒清水寺（釘を使わないで建てたと言うと喜ぶらしいよ）
＊鴨川で床ごはん http://www.kyoto-yuka.com/ お昼なら安いと思われる
＊京都御所 http://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html
拝観には申し込みが必要だけど、ムードは良い
＊仁和寺〜竜安寺〜金閣寺
仁和寺で座り込んでいるととても楽しかったよ。（にのらは）
＊上七軒お茶屋協同組合 舞妓さんと楽しむビアガーデン
＊三十三間堂
時間がいっぱいあれば、比叡山や嵐山とか、宇治も良いけれど、
やはりベタなところがいいよねえ。ベタ＝等しく好ましい。
何かいい案が浮かんだら、また書きます。いや〜参考にならないねえ・・・。
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