アナウンサー日記
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2001年02月16日(金) 父ちゃま

 「父ちゃま」は、私の母方のおじさんの愛称である。母の長姉の夫だから、血のつながりはない。父ちゃまは母の実家の平戸島の人である。一代で、自営のスーパーと魚などの卸売業を発展、成功させたパワフルなひとだ。

 父ちゃまは、古き良き日本人の、典型的な頑固親父の拳骨親父だった。怒らせるととても怖いひとだったし実際よく怒るひとだったので、みんないつも顔色をうかがっているような感じだったが、それ以上にリーダーシップと気風の良さで大変な尊敬も集めていた。だが、子供のころ夏休みのたびに平戸に帰省していた私と姉は、とても可愛がってもらっていた記憶がある(怒鳴られた記憶もありますが・・・)。

 その父ちゃまが、先週亡くなった。81才だったそうだ。

 頑固親父の父ちゃまも、経営を息子たちに譲り隠居したあとは、ただただ孫を可愛がる好いおじいさんになったということだ。父ちゃまは、新聞などで私がテレビに出る日をしっかりチェックしていて、私がテレビに映ると家族を大声で呼んだということだ。そんなこと、父ちゃまが亡くなるまで知らなかった。

 父ちゃまとは、もう何年も会っていないので、私は父ちゃまの晩年を知らない。
私の記憶の中では、父ちゃまは、頭に豆絞りを巻き、腰までのゴム長を履いて、赤ら顔で何か怒鳴っている、あの日の父ちゃまだ。

 ずうっとあの日の、頑固親父の、元気なままの父ちゃまなのだ。

 
 


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