一方通行の灰色常駐。

言葉が口先から生まれています。
気も漫ろです。

頭も心も生まれた言葉に背を向けます。
上の空です。

そんな君を見つけても
想い出の結び目を解けない僕です。
降り注ぐ陽射しはまるで
不甲斐ない僕を責めているようです。

聞こえの良い言葉が並んでいます。
嘘も方便です。

そんな君を見つけても
描き続けた線を消せない僕です。
流れて行く雲はまるで
何もない僕を笑っているようです。

柔らかい言葉は僕には硬くて
丸い言葉の角に僕は刻まれて行きます。

何もかもが正しく当たり前のように続いて
その中で君も何でもないように進んでいます。
立ち止まったままで僕は
そんな何もかもやその中の君を眺めています。
立ち尽くしたままで僕は
続く何もかもや進んでいる君を見送ります。

いつまでも続く世界で
どこまでも進む君の姿は
もうここからは遠くなって良く見えないけれど
きっと笑っているんだと思います。
遠くなればなるほど笑っているんだと思います。

これでいいよねと僕は僕に言います。
これがいいよねと僕が僕に応えます。

動かない刻まれた僕をいつか風に運んでもらいます。

零と壱の綴れ織。
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