むつかしい言葉で恐縮です。 1年間で元手が何回回転したかをあらわします。
日本酒を造るのにかかる元手は、おおきく分けて4つ 1)原料米代金 2)製造にかかわる蔵人さんの賃金 3)販売にかかわる社員さんの賃金 4)その他、燃料代、水道代、宣伝広告費、商品の発送配達費などなど
この稼業、いちばんかかるのは米代、次に人件費です。
酒造がはじまる直前、10月にに銀行からごっそり融資をうけ、米を仕入れ、蔵人さんの給料を払い、お酒が全部できるのは3月末。これを販売して次の10月までに借金を返し、あるていどお金が残っていれば黒字、残らなければ赤字です。
基本的にこの商売は、資本回転率が年1回という、ほかの業種から見ると特異な業種なのでありあます。
他の製造業ならば、原料を仕入れて、商品をつくり、納品し、サイト3ヶ月の手形をもらう繰り返しで資本の回転率は3回から4回くらいあるのでしょうが。
で、何がいいたいかといえば、「お金がない!!」。
蔵人さんは5ヶ月分のお給料をもらって能登にお帰りになり、原料米代金も農協さんに前金でおはらいしていますので、年末年始の売上と、花見とお祭りの売上があっても、この時期の吉田酒造の銀行口座は残高が非常にきびしいのです(弊社とリンクしている、開春の若林社長も日記でこぼしておられます)。
倒産や、廃業の話はあちらこちらで耳にしますが、他業種からこの業界への参入がないのも、このあたりが原因なのでしょう。事業としては、全く魅力のない業種なのだとわれながら思います。
「おいしいお酒をつくろう」という意気込みだけではやってけない。 そんな現実を実感する月末です。
|