海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2003年04月26日(土) 大治郎来たる

午後3時ころ、畑大治郎君から「近くに来ているからお邪魔します」との突然の電話。まもなく東京の有名地酒専門店のチーフマネージャーと2人でおいでになりました。

畑君の蔵は昔から「喜量能(きりょうよし)」というブランドでお酒を造っていたのですが、4年ほど前、東京の醸造試験所で3ヶ月の醸造講習を受けた後、いっそう積極的に酒造りの現場にかかわるようになりました。

酒ディスカウント店進出によるレギュラー酒の販売不振や、杜氏の交代などいろいろ御苦労があったようですが、2年前にリリースした新ブランド「大治郎」がブレイク、地元滋賀県はもとより首都圏でも新規の取引が始まり、人気が赤マル急上昇しているお蔵です。

醸造のスタンスもしっかりしており、地元での「山田錦」や「吟吹雪」の契約栽培は年々増加しており、現在は能登からおいでになる杜氏と2人3脚で仕込みをしておられますが、ゆくゆくはオーナー杜氏として充分やっていけるだけの技量を身につけつつあります。

せっかく酒販店さんとおいでになったのだからと、分析室にお通しし、今年の「花嵐」「雪花」の新酒や、熟成し火入れの純米酒や吟醸酒など何点かを利き酒していただきました。

チーフマネージャーさんは「それぞれの酒の酒質設計がしっかりしていて、差別化ができている」と好意的な評価。帰り際には、御両名から今夜京都で一杯いかがと誘われましたが、能登と大阪で連日大酒を呑んでいるので、それは勘弁していただきました。

大治郎君とは商売上のライバルになるのですが、やはり滋賀県で若手の醸造家が輩出してくるのは嬉しいものです。

1軒の蔵だけでは、県としての地酒イメージを高めることはできません。やる気のある蔵が何軒も集まり、相応の実績を作ってはじめて、その県の地酒のイメージが高められていくものです。

古くは新潟県にはじまり、静岡県、長野県、山形県など、みんなそうして銘醸県としての地位を揺るぎないものにしてきたのです。









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