2004年03月11日(木) |
息子、通塾の電車で・・・ |
息子・・・。
私がまだ塾への送り迎えをしている頃。
電車に乗った瞬間、
「座りたいなあ。」
と言った。
席は空いていない。 みんな座っているんだ。
座りたいなあ?
何を言ってるんだこいつ。
こういうこれみよがしな言い方がすごく嫌いなんだ。
私がジロッ!と睨むと、だって・・、という顔をする。
「どうぞ!」
すぐ近くのおばさまが席を譲ってくれようとする。
「あ、すいません。ありがとうございます。でも、いいんです。どうぞお座りになってください。本当にすいません。」
そう笑顔で答え、息子に対して『この、バカ!』と心で怒鳴る。
「あら、いいんですよ。(Nバックを見て)これから勉強しに行くんでしょう?頑張るんだもの、疲れるわよねえ。どうぞ、座ってね。」
息子、「あ、いや・・・」、口ごもっている。
すかさず私が笑顔で、
「向こうではずっと座っていられますので・・・。本当にすみません。」
「本当にいいんですよ。どうぞ。」
息子は私の顔をちらちら見ながら、ヤバイ、どうしよう・・・、という顔をしている。
「お母さんに怒られちゃう?」
息子は困った顔をしている。
お前ーーーー、どうするんだ、この空気を!!!
他の人の視線が集まってくる。
全然引き下がってくれないそのおばさまは、私がいくら断っても座ってくれず、譲ろうとしてくださるので・・・。
息子に、
「座りなさい。きちんとお礼言いなさい。」
「ありがとうございます。」
と息子が座った。
マズイことしてしまった、という表情と、嬉しそうな表情と、微妙な表情をしている。
次の駅でどわーっと降りて、そのおばさまも他の席に座る。
私たちが降りる駅に着く頃、息子に、 「もう一度、出る時にきちんとお礼を言うのよ。」 と言い、
扉が開く少し前に息子がそのおばさまの前まで行って立ち止まり、深々と頭を下げ、
「ありがとうございました!」
と言って息子は電車を降りた。
私が降りた出口とは違う出口から、そのおばさまの近くの出口から息子は降りた。
電車を降りて、息子が私にかけよって腕を組んでくる。
「もう二度と電車の中であんなこと言ってはいけません。」
「うん・・・。」
「全く、何が疲れるよ。『♪疲れを知らない子どものように』って歌もあるくらいなんだからっ!(わかんねえだろっ)それくらい子どもは疲れないの!わかった?!」
「うん、わかった。」
息子もすごーーーく反省したような顔をしていた。
「せっかく勉強頑張るからって席を譲ってもらったんだからね!頑張らないとだね!」 「うん、頑張ってくるよ。」
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