私はどうして娘が、トイレも我慢してしまうほど追い込んでいたというのに、素直になれなかったんだろうって思ってた。 どこかできっかけを作って、きちんと娘と向き合わなければって思ってた。
娘が話しかける。
話を聞かない私。
どう考えたって、母親の私が悪いのはわかりきったことだ。
でも、爆発してしまった。
「あなたはママの話をちっとも聞かないのに、どうしてママがあなたの話を聞けるの?
部屋を片づけなさいって言っても片づけない。
あなたが出た後は、台風みたいで、それを毎回毎回片づけて、あなたは毎回毎回散らかして、 脱いだ服を下に置く前に、ハンガーにかけなさいよ。
机で勉強するときは電気をつけなさいって言うのにつけない。
出したものはしまいなさいって言うのにしまわない。
脱いだら脱ぎっぱなし。
脱いだらたたみなさいよ。
誰か片づけてるの。 誰が掃除してるの。 誰が洗濯してるの。
復習したのって言っても復習しない。 何もしないでだらだらして時間だけが過ぎていく。
いいのよ。遊んだって、休んだって。
やるべきことやって休憩するならいくらだってすればいいです。
でも、最低限のことはやりなよ。
『いってきます』、も、『ただいま』も言わない。
ただ、黙って出て行く。
人として最低限のことできないなら、受験なんてしてもらわなくて結構です。
人の話は何も聞こうとしないで反発ばかりして、自分の話を聞いてくれないだ?
自分の話を聞いて欲しいと思ったら、まず人の話を聞きなさい。」
娘は黙っていた。
いつもなら反発する娘が黙っていた。
私も、自分の口からこんなことが出てしまうとは思っていなかった。
そうだったんだ。
私は子どものまま大人になってしまった。 話を聞いてくれないから私も聞かない、なんて。 そんな馬鹿げたことを言う親なんて私ぐらいかもしれない。
でも、私にとってはとっても重要なことだったんだ。
娘は寝てしまった。 塾があるのに寝てしまった。
リビングで寝てしまった。
「もう起きないと遅刻するよ。」
と言って出て行った。
やっぱりわかってないらしい。
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