思い、願い。。
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中学受験日記。 (上の子(娘)の受験は2004年2月まで)

中学受験日記から4年数ヶ月、その間、3人目出産、起業し・・・

2003年09月20日(土) 考えていた

実は、ホームページを閉鎖しようかどうしようかずっと考えていた。
今年は本当にいろんなことがあって、精神的にも滅入って、夫を思いやる気持ちも欠けていたように思う。

結局、私がつらい時に、ずっと側にいてくれたのは夫なわけで、
だまってずっと横にいてくれたわけで、
私が言葉を発すれば喧嘩ばっかりだけど、
それは自分の言い方とかもいけないわけで。

いつだったかなあ。

夫はいつのまにかインターネットもそれなりに使えるようになって、私の友達の日記を毎日のようにネットで読んでいたことがあって、読書好きの夫、もともと本を読んで面白いと、その人の本をどさっと買ってきて読みあさるみたいな。
そんな人だから、知人だったこともあって心に入ってくるものがあるんだろうな、って思った。

そういう夫を目の当たりにしていたら、なんだか自分は夫にとって興味がない存在なのかなあ、と思ったりした。

言い合いになって喧嘩することは毎日のようにあるけど、優しい部分もいっぱいある。だけど、なんていうのかなあ。それは夫婦が上手くやっていく上での義務でやっているだけで、私自身については知りたくないのかなあ、って。
私が日々何を思い何に悩み、何に苦しんでいるのか。
それを言葉にしようとしても、夫は聞いてはくれないし、喧嘩になるだけだから、私は日記に書いて自分で消化して自分で前に進まなきゃと思っていたんだ。

ねえ、私の日記はどうして読まないの?

履歴を見ても私の日記を読んでいないのがわかる。

「ずうっと前に読んだことがあったよ。でも止めた。俺の美意識が壊されるのに耐えられなかったから。」

要するに、てめーのことばっかで、俺の気持ちなんてこれっぽっちもわかってねえじゃねえか、独りよがりで好き放題書きやがって、ということか?

日記だもの、そりゃそうだろう。

なんだかまた論じ合いになった。

夫は自分の気持ちを誰かに相談したり話したりしない。誰も俺の気持ちなんてわかるわけがない、と思っているし、人なんて信じられない、と思っている。私のことも信じちゃいない。

なんたって、夫がすぐ口にするのは、

「お前はいいよ。顔がかわいいからってちやほやされていたんだろう。」
「どうせお前は俺がいなくても生きていけるんだろう。俺が嫌ならさっさと出ていけ。」

いくら私が言葉で「好き」と言っても、
言葉ではいくらでも言える、という感じだ。
もう10年以上にもなると、かなり面倒になってしまっている自分がいた。

もういい加減にしなよ。

そう、私もこんな言い方がいけないと思っている。
でも、

もうしゃべらないで。

こんなことまで言ってしまうのだ。

そんなことを言う自分も嫌で、面倒だと思う自分も嫌で、もう存在自体が嫌で嫌でたまらなくなってきていた。ああ、なんて生きるって面倒臭いんだろう。

愛とか、恋とか、一時だけ楽しんでいれば、そうでいられたら、楽だっただろうに。
だけど好きになっちゃったんだし、一緒にいたんだし、そんな自分が腹立たしくてたまらなかった。

もう止めようよ。

何をやめるんだ?

私の気持ちをひっかき回すことよ。
本当に勘弁してほしい。

「お前はいいよ。自分の言いたいこと好き勝手に書いてよ。俺がお前を訴えたらどうなるんだ?」

名誉毀損ってことか?

「私、誰が読んでもいいように書いているし。書いてないこともたっくさんあるよ。自分なりに選んで書いているつもり。パパのことなんて、私はこんなに夫を愛していますって言っているようなものじゃない。だから悩むんでしょ。苦しむんでしょ。パパは私の気持ちを聞いてくれない。話せば喧嘩になる。だったら私はどこに気持ちをぶつければいい?どこかに気持ちをぶつけなければ私は壊れちゃう。」

「ほんとに自分のことばっかな。
俺が何した?
俺は精一杯やってるよ。」

「パパは精一杯やってるよ。すごいと思うよ。でも私は同じようにできない。無理したらまた入院になって、結局迷惑かけることになる。だから疲れたら休むようにしてる。家は安らぐ場所なんじゃないの?無理しなきゃここにいられないのならもう無理だよ。若い頃は好きだけで一緒にいられるものだと思ってた。でも違ったんだよね。好きだけじゃ一緒にいられない。
もう疲れた。大声出されてびくびくするのも、優しくされるのも、私は嫌われてるのか、好かれているのか、わからなくなる。頭がこんがらがっちゃうよ。存在自体が否定されているような気持ちにさえなる。」

夫は黙っていた。

黙って、黙って、黙って、

「まっ、所詮、物書きなんてそんなもんだよな。」

とポツリと言った。

なんだか心がひっくりかえった。

あまりにも予想してない言葉だったからだ。
なんだかどこかにワープしてしまったような気分になった。

今までの話と、この言葉とどこがどう繋がったんだろう。

そういや、ここのところ夫は食事の支度をしてくれる頻度が多くなった。
そういや、朝、寝ている私の頭をずっとなでてくれていたりする。
そういや、結果的には子どもたちが食べちゃったりするけど、私に食べさせようと私の大好物を買ってきてくれたりする。

言葉にしなきや伝わらないって思ってた。
どんなに夫婦長くやってきたって。
言葉が大事なんだって思ってた。

だからずっと日記を書いていたんだ。

夫はずっと、言葉なんていくらでも言えるって言ってた。

もう一度考える。

俺はどんなに喧嘩しても、これで死んじゃったら後悔するからって喧嘩しても翌日までには仲良くなりたいんだ。

私の中では解決していなくて、喧嘩したらもう白黒つくまで口も聞きたくないんだけど、朝にはヨシヨシしてくれているんだ。

ひっくりかえった心は、ひっくりかえりっぱなしで、わけがわからなくなった。

日記を書くことも、なんだかバカらしくなった。

私は何のために書いていたんだ。
自分の気持ちの整理のため。

もし私が危険な方向に行っていたら、誰かが止めてくれるかもしれない、なんて他力本願な気持ちもないとは言えない。

私、何だったんだろう。

自分だけが苦しいと思ってた。

夫が苦しんでいることもわかってたけど、自分は夫より苦しいと思ってた。

なんだかわからなくなっちゃったんだ。

夫も夫だ。

言葉なんて何とでも言える、と言いながら、言葉で私の心をひっくりかえしてしまった。

でも、ひっくりかえったのは、きっと言葉だけじゃなくて、そう、、言葉はきっかけなだけで、それまでの行動あってのことだったことに間違いない。

私、なんで日記なんて書いてたんだろうって思った。

思って、思って、考えた。

書きかけの日記。

田舎に行ったこと、まだ途中しか書いていない。
おばあちゃんが亡くなったこと、映画も観たり、お笑いのライブも行ったり、書きたいことは山ほどあったのに、おばあちゃんのところでひっかかってた。それでこれだ。

「もう誰も死んでほしくない。」
「じゃあ、俺はお前が死んだ翌日に死ぬよ。それがいいや。」

夫は生きていてもしょうがない、とか、俺はこんなに長く生きる予定じゃなかったんだ、と言っていたのに、嬉しくてたまらなかった。

もう日記なんていらないや、って思ったんだ。


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