昨日の続き。
この島にはいくつものお墓があるように見える。 その町ごとに一つお墓がある。 山の麓にあるお墓、親戚の墓だらけだ。 名字も全部で5個あるかないかくらい。
おばあちゃんのお墓は、その中で上の方にあり、 階段を上っていく。 親戚たちが細い階段を一列になって上り、交替でお線香をあげていく。
ここに着いた朝、おじいちゃんから手渡されていたおばあちゃんの小銭入れ。 これはお前が持ってお墓に入れるんだよ、と言われ、ずっと朝から手に握っていた小銭入れ。 中にはお金も入っていて、その他にもいろいろ入っていて、おばあちゃんの大切なものだ、と言っていた。 それを骨壺と一緒にお墓に入れる。
長男が墓の中に入って、整理して入れてくれた。
いっぱい話した。
私の従兄弟にあたる子は、うちの子と一学年違い。 二人とも、うちの子たちより、一つずつお姉さん、お兄さんだった。 そのお母さんは、私より一つ上だった。 要するに、母の一番下の弟の奥さんは、私と一才違いということだ。
う〜ん。 前川清さん似のただのおやじである。(ごめん、おにいちゃん)
奥さんは、たとえていうなら、山口百恵さん的な顔立ちで、 小さくて清楚でかわいらしい感じの人だ。 顔のつくりも綺麗で、お肌も若々しい。 どう並んでも不釣り合いだ。 多分、10歳近く違うんじゃないかなあ。
でもお互い好きならそれでいい。
おばあちゃんが亡くなる前、母の兄弟たちはいろいろあって、バラバラだった。 おばあちゃんが亡くなったことも知らせないかもしれないって言ってた。
でも、全員が来た。
兄弟6人、仲良くできているなら、幸せなことだろうに。 なかなか上手くいかないものだよね。
兄弟がバラバラの間に、 母の一番下の妹は、夫を癌で亡くしていた。
みんな死んでいくんだ。
いろんなこと話した。
おばあちゃんの妹の足が速くてリレーの選手になったこととか、 おじいちゃんの妹の足が速くてこれまたリレーの選手だったとか、 二人は一学年違いで同じ時期にリレーの選手でバトンを渡しあったこともあるとか、 他の学校との合同でも出たとか、 ねたまれていじめにあったとか。
明け方近くまで親戚たちは、お互いまだ若いぞ、と見せつけ合いながら、体操したり踊ったり、なんだかとっても元気だった。
みんなもうここに住んでいない。
ここでは仕事がないから、と、長崎に移り住んでしまっているらしい。
みんな働いている。
朝、「起きなさい。」という叔母の言葉で目が覚めた。 母の一番下の妹である。
彼女は、母と絶縁関係にあって、私が電話した時も、 「もう電話して来ないで。」 と言ったほど、私たちを嫌っていて、ここに来てからも、ずうーっと私と母のことを無視していた。 だけど昨日親戚のおばさんたちからいろいろ言われたのか、 私ならいいと思ったのか、話しかけたのだ。 まあ、怒られたという方が正しいけど。
眠い、非常に眠い、起きると、女性軍たちは忙しそうに掃除しまくっていた。
こんな時に思う。 一番かわいそうなのはお嫁さんだって。
長男の嫁。
昨日も全然休んでいないし、親戚に話しかけても無視されている。 それを私が代弁してみんなに言ったりしていた。
本当にすごく働き者で、嫁の鏡である。
私がもう今日帰ることをとても残念がって、 「さみしくなるわ。」 と言ってくれた。
それでも私たちは帰ってきた。 また羽田空港のゲートの外に、夫が立って待っていた。
そう、書き忘れていたことがあった。
一生忘れないね、と叔父は言ったんだっけ。
|