新聞屋からもらった今日まで期限のチケット2枚、 友だちが一緒に行ってくれることになった。 >感謝!友よ!
北野武監督の映画、「ドールズ」を観に行った。
北野武監督の作品って、ほとんど出演者が死んでしまうし、 わけがわかんなかったりして好きじゃないんだが、
「キッズリターン」は、私の好きな映画ベストテンには入るだろう。 学生時代の微妙な心の動き、男の子二人の友情物語は、懐かしい学生時代を思い出したものだ。 主人公の金子賢さんと安藤政信さんが、ドラマに出るようになって、あれれ?ひょっとして。。と当時ネットを検索しまくったものである。
あえてもう1ついいと思うものをあげるとすれば、 「あの夏、いちばん静かな海。」 真木蔵人さんが耳の聞こえないサーファー役で出演の映画、あれも淡々とした静かな中に、希望に向かって前進していく様が胸を熱くしたものだ。
「ドールズ」
菅野美穂ちゃんが台本を読みながら涙を流してしまい、その度に白い化粧が落ちてしまってメイクさんが大変だったというエピソードがある。たけしさんが泣かせまいとして、笑わせようとするんだけど、今度は笑い皺ができてしまって化粧直しになったとか。笑ったり泣いたり、とメイクさん泣かせの映画だったらしい?
菅野ちゃんは、ただ歩いて、と言われてひたすら歩いていたらしい。
そんな事を出演者たちがテレビでコメントしているのを観て、気になっていた。
多分、観ても「話し的な感動はないだろう」と思っていて、 単に前評判の「映像の綺麗さ」を大きなスクリーンで観たかった。 最近、精神的にお疲れ気味だったし、何も考えず、四季折々の景色が観たかったにすぎない。
3つのストーリーがほぼ同時進行に流れていく。 きっとどれもが中途半端でわかりずらいのだろう、と思っていたから、 疑問を持つことなく、まあこんなものだろう的には観ていた。
冒頭の方で、菅野ちゃんの泣きのシーンから、予想外に涙があふれて止まらなくなってしまった。私、菅野ちゃんの演技好きじゃないのにな〜。あの女の子の気持ちと男の人の気持ちと、両方が絡みあって、切なくなってしまった。 最近、涙腺がゆるいらしい。
昨日のテレビ「天才柳澤教授の生活」の、寝てしまっている娘の前にすくっと出ていって「しばらくそっとしておいてくださいませんか?」みたいなこと言うシーンで、おいおい泣いてしまったし。こんなちょっとした父の愛情に涙が出てしまうのだからたまらない。 >父親の愛に飢えてるのかしら?
菅野ちゃんの泣きとともに、自分の涙もボロボロ流れてしまうのだ。 し〜んと静まっている劇場内では、鼻をすするのも響くので、できる限り我慢していると鼻水まで垂れてくる。 お陰で、終わった時には、プチタオルが鼻水と涙でびちょびちょになっていた。 許されるものなら途中で鼻をかみたかったくらいだ。
一緒に映画を観た友だちは、 「他の映画はテンポが早くて考える暇を与えないけど、反対にこの映画はいろんな事を考えさせられる映画だったね。」 というような事を言っていた。
確かに。。
それくらい、間が長く、セリフがない。
菅野ちゃんもこんなにセリフが少ない役は初めてだ、というような事を言っていたもんな。
中盤を越えたあたりから、急に音楽が止まり、劇場内にシーンした空気が数秒ながれるシーンがある。 その間、観ている側も耳をすまし、次に何が起こるかを見つめて待っているのだ。
視覚的に癒されたい人にお勧めの映画、と言っておこう。
▼以下は観た人だけ読んでください。(ネタバレあり)
土曜日だけ待ってるおばちゃん、また待ち人が来なくなっちゃってどうするの? 死ぬまで待っているの? 親分は幸せだったかもしれないけれど、再びまたされる方の気持ちは? 親分=待ち人だったと言わなかったから救われるのか? どちらにしろ二度うらぎられるような気にならないか?
元アイドル、せっかく心を開いたのに、待ち人来なくなっちゃってやけになったりしない? 自分が傷を負ってもまだ愛してくれてる人がいると思ったとして、結局は見かけのいい人に行ってしまったのでは? と思わないでしょうか? 急に来なくなったら嫌われたと思うのでは? 去られたと思うのでは?
菅野美穂ちゃん役、おしっこやうんちはそのまましちゃってたの? 臭かった? それとも男が世話をしていた? ペンダントを見せて抱きしめられて涙したのは、記憶が戻ったから?
こういうのが男にとってのきれいな愛情だ! と、見せられた気がした。
よく夫が言うが、 男はつれあいが死ぬと後を追うように死ぬが、 女はつれあいが死ぬと元気になって長生きする、と。
そんな男のあっけなさを観た気もした。
最後に、一番好きなシーンは、 ペンダント見せてニコッとした菅野ちゃんを抱きしめるシーン。 男の気持ちを考えるとボロボロ泣かずにはいられなかった。
あなたはどう考えます?
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