恋のさじかげん
れのん



 泣く

「未来」が同じベッドにいるのに、
私は他の男のことを考えて泣いた。
「未来」が抱きしめてくれるのに、
「未来」が傍にいてくれるのに、
私は時々たまらなく不安定になる。
そして、夜、泣き出してしまう。
「どうした?なんかあった?」
「未来」は答えない私をその胸にかき抱いた。
「未来」が私を抱かない日はたびたびある。
二人して着衣で抱き合ったまま眠ることも多い。
手のひらが分厚くて、
肩幅が広くて、
背なんか20センチ以上も高い彼が、
壊れ物みたいに、私を、
大切に、抱く。
それはとても、気持ちが良くて、幸せなこと。
「未来」といると、きっと幸せ。
だけど、私は、とても感傷的になってしまう。

過去の恋愛について、語る必要がある?
わたしが壊してしまった家族と、
わたしが傷つけてしまった人のことを。

「未来」といつまで一緒にいられるのだろうか、
そう思うと、不安でたまらない。

2002年11月20日(水)
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