恋のさじかげん
れのん



 自堕落な一日

昨夜、鍋会を23時に閉じ、みんな、帰っていった。
「未来」も、もちろん、友達と一緒に駅に向かったはずだった。
途中までは私も見送ったし。。。
電話が鳴る。
相手は予想通り「未来」だった。
『今、みんなと別れた。駅の構内なんだけど、そっちに戻っていい?』
「うん、待ってる。」
「未来」は肩で息をし、瞬間で戻ってきた。
「は、早いね。」
『うん、走ったから。もう、めちゃめちゃに。』
「なんで?」
彼はへべれけの私の唇の上に、唇を重ねた。
『、、、会いたかったから。すっごく触れたかったから。』
そしてそのまま、ベッドまで抱きかかえられて移動、、、。
『今日、すっごく可愛かったんだもん、
絶対セックスしようって、決めてた。』
私の化粧がいつもと違うことに気づいたのは、彼だけで、
周りの友達はみんな意外な顔をしていたっけ。

二人とも酔っ払っているためか凄く、、、大胆で、
しかも、長いし、激しかった、、、。
彼の息づかいを聞きながら、しがみつくことしかできない私。
体を仰け反らせる、彼の腕が背中に回る、
そのまま抱き起こされて、私が上になる。
自分で動けない私は、感じることしかできずに、
声にならない声をあげるだけ。
彼は何度も告げる。
「全部好き。愛してる。だから抱きたくなる。」

朝が来て、私たちはまだ、抱き合ったままで、
薄暗い中、また、体を温めあい、
そして眠りにおち、
朝の光が差し込む、明るい部屋の中で、
また、抱きしめあう。
一日に何度もセックスを繰り返した。
それでも埋まらないものがあるわけではなく、
ただ、お互いの体が別物だという溝を埋めるようなセックス。
濃厚で優しくて、激しくて、そして求め・求めあう。
単純に、むさぼりあって、ご飯を食べて、絡まりあって、
ただただ自堕落な一日。
でも、心が癒されたり、ほっとしたり、
満たされたような気分になる一日でした。

2002年11月10日(日)
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