恋のさじかげん
れのん



 風邪

風邪をひいてしまった。
「未来」の大学の学園祭にでかけていたのだけれど、
夜はさすがに寒くって、しかもバイクで出かけていたし、
で、とうとうダウン。
彼は夜中に何度も起きだす私の額に、
氷水に浸したタオルをあててくれた。
熱があがる時は息も荒くなるし、
なによりも、うなされてしまう。
そんなときに、そっと包んでくれる腕のあることを、
とても、ありがたく、心強く感じた。
「大丈夫、傍にいるから。」
彼は何度も呟く。
私の頭に、額に、瞼に、耳に、唇に、、、
彼の胸に顔をうずめた。
涙がこぼれた。
そのことに気づかれないように、
うつむいたままでいた。
人生は、自分にとって幸せになる方向へ動く。
そして、幸せになるために、
自分からそうしていく。

2002年11月03日(日)
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