恋のさじかげん
れのん



 「未来」と「現在」、二人の男

週末は、プチ同棲をしている。
金曜の夜にどちらかの部屋を訪ね、
一緒に食事を作って、お酒を飲みながら食事、
たくさん話をし、たくさんキスをする。
キスをして、そのままベッドになだれ込むこともある。
ベッドになだれ込んでも、そのまま抱き合って眠ることも。
たくさん話をする。馬鹿な話も、真面目な話も。
そういう自然な関係が今はとても大切だ。
バイクに乗せてもらうことにも慣れた。
彼の腕の確かさを確かめながら眠ることが、
今はとても幸せに感じる。

「現在」から電話がかかった。
今更、彼は「付き合いたい」と言ってきた。
「今、付き合ってる人がいるから、」
「何?年下と付き合ってるわけ?俺、負けたのかぁ。
 れのんは、寂しかったから、
 そいつと付き合ったんじゃないの?
 早く別れて、俺と付き合おう。」
そんな内容の電話だった。
でも、私は、
「今、付き合ってる人を大切にしたいから。」
そういって断った。
「現在」の言ってることは、正しくは無い。
だけど、私が寂しかったのは確かだ。
「現在」の言葉をかみ締めた。
そして私は、
やっぱり「未来」を選ぶと、思った。

2002年10月28日(月)
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