恋のさじかげん
れのん



 セックスの後で。

「未来」と、セックスした。
あんなに感激されたのは、初めてだった。
自分に、そんな価値があるのか、
そう錯覚してしまいそうだった。
「未来」の肌はとても滑らかで、肩幅は広く、
筋肉質、そして、
生命に満ちている、若さだと思った。
私は包まれている、そう感じた。
自分をこんなに小さいと感じたことは無かった。
「未来」は泣き出しそうになる私に、
「ちゃんと愛してるから大丈夫。」そう言って、
数え切れないぐらいのキスの雨を降らせた。

ぎこちないセックスのあとで、
私は心に強く思った。
この人を大切にしよう、
この人と生きてみよう、
そう思った。
幸せになれるのかどうか、わからない。
女26は焦りが見える。
でも、いい。
私は自分を幸せにするためには、
この人が必要なのだと分かった。
踏み込まずに、満たされることは無いのだ。
そして、
傷付かずに、愛することもできない。
傷付いても、許すことができれば、
きっと私は、大丈夫。

2002年10月15日(火)
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