恋のさじかげん
れのん



 どうしようもない。

遠距離不倫なんて、無理なんだろうなと思った。
続けていけないって思った。それは今も変わらない。
6年は、確実に、私は関東にいる。
「6年、か。6年間もあったら、その中で何かはかわるんやろな。」
彼が独り言のようにつぶやく。
「何がどう変わるとは、わからんけど。」
6年もあったら、私は誰かと結婚するってこと?
6年のあいだには、貴方が離婚するってこと?
6年も離れたら、どうせ自然消滅してしまうってこと?
関東へ赴く前に、関係を終えようと思っているくせに、
そんな問が浮かんだ。
6年先の私たちなんて、存在しないのに。。。
そして、そのいずれの問いかけも、押しつぶした。
どうせ、はぐらかされるし。
私たちは、
凍えそうな現実から、身を寄せ合って、耐えることしかできない、
弱虫な双子のよう。
耐えるだけで、日々を終え、月日を重ね、
結局、何の答えも、何の打開策も見いだすことなく、
3年を終えようとしている。
石の上にも3年とはいうけれど、石の上に3年いただけでは、
世相の変化に助けられようと、他力本願になってしまっているのと、
大して変わらなかった。。。。
3年を後悔しないけれど、3年が大きかったのは確か。
あたしは今月の誕生日で、とうとう26になる。
不倫を始めたのが23になったばかりの頃だったのに。
あのころは若かったと、今でもそう思う。
好きだと思ったし、結婚なんて望むことなんて無かったし、
年齢に追い立てられるようなこともなかった。。。
彼との結婚を望んでいるわけではないけれど、
誰かにとって、一番大切な人になりたいっていう欲求は高まるばかり。
結婚したいなぁって思われるぐらい、愛されてみたいと、
自分の立場もわきまえずに、思ってしまったりして。。。

不倫が足かせになる?
未婚者の方だけが責められる?どうして?
若いだけでは乗り切れない現実もあるし、
二番目として生きていく不安定もある。
どんなに、「好き。」をくり返されても、
私の心は、繋ぎ止められない。
もう、それだけじゃ、どうしようもないんだよ。

2002年02月02日(土)
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