恋のさじかげん
れのん



 気持ちを断ち切る斧

気にしない、と決めても、さすがに落ち込んだ。
メールの返事も来ないし、チャットで会っても、Qでも、
かまってもらえないのなんて気にしないけど、
少しも相手にされないのは、やっぱり、苦しかった。
彼の父親が起こしたトラブルのせいで、彼は仕事を失うかの瀬戸際。
こんな時に、何もしてあげられない自分を情けなく思うけど、
それ以上に、少しも頼りにしてもらえない、
いやしにすらなれない自分を思うと、なんだか、辛くなった。
あたしは、何もしない方がいいのかな、、、とも思った。
メールも、電話も、Qも、チャットも、、、、、、、、。
あたし一人が出来る事なんて限られているし、
少しも力になれないかもしれない。
でも、あからさまに相手にされていないのは、
あたしの存在感、これまでの日々も、
全く意味のないものだと突きつけられたような心地になった。
せめて、「おやすみ」ぐらい言ってから落ちてもいいのに、、。

このまま、どんどん遠くなって、別れるのも悪くない。
今しか、もう、ないんだと思った。
あたしの仕事の試験の合否はまだ発表にならない。
このまま、離れて、物理的にも、心的にも、離れて、
一人で新たな気持ちで始める方が、
人生は、有意義なのかもしれない。
心の奥底で研いでいた刃物が、その出番を待っている。
彼が私を必要としなくなるのなら、
この斧で、私はこの気持ちを、断ち切ろう。

2001年09月22日(土)
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