恋のさじかげん
れのん



 別れます

気持ちの落差が激しすぎて、
心がついていかない。憔悴しきって、もう、何も考えたくない。
自分の気持ちを伝えないと、言葉が不足すると、
相手を限りなく手探りで想像するしかなくなって、
恐くなって、どんどん引きこもってしまう自分を分かってた。
だから、どんな小さな感動でも、どんな小さな悲しみでも、
伝えようとしたけれど、なんか、やっぱり、だめみたい。
私は重いのかもしれない。子どものようになんて振舞え切れなかった。
でも、不倫なんだもん、女なんだもん、「普通」には行かないよ。
本当の優しさって、不倫すると決めたときから、
ちゃんと腹がくくれているってことだと思う。
それが出来もしないのに、「やり直したい」なんて安易に言って欲しくなかった。
どんな小さなことで、私がゆれて、涙することがあるなんて、
少しも知らないんだ。
知らないから、そうやって、いいかげんな態度がとれるんだ。
眼に見えるものだけが、真実じゃないし、
眼に見えるものだけが、存在するものじゃない。
彼は今、私が泣いていることも、その理由もきっとわからない。
安定したい。気持ちを求められたい。
こんなに不安定で、体しか求められないなんて、
私はもう、いやなんだもん。
やっぱり、別れます。
自分が壊れれしまいそうだから。
私にとって、一番大切なのは、「私」だから。

2001年06月17日(日)
初日 最新 目次 MAIL


My追加