恋のさじかげん
れのん



 幸せと不幸

先週の日曜日は、初めて、遊園地に行った。
セックスだけの関係から、ようやく、
他の面でも私を認めてくれるようになったように感じた。
でも、どこかで、この優しさがいずれ、
慣れになり、飽きにつながり、別れになるようにも、感じて、
自分がひどく悲観的であることを呪った。
遊園地は楽しかった。
こんなに笑って、こんなにドキドキして、
こんなに彼を近くに感じて、こんなに大切にされたのは初めてだと思った。
幸せは、恐い。
幸せに遠いときは、人は誰でも幸せになりたいと切に願う。
でも、いったん幸せになると、そのとたん、悲しくなる。不安になる。
幸せを手に入れた瞬間に、幸せが去っていくこと、
幸せが長続きしないものであることを思って、
泣きそうになってしまう。
本当に幸せなのは、幸せになりたいと前向きに頑張っているときで、
本当に不幸なのは、幸せが消滅しはしないかと、心を病むことだ。
私は、泣いてしまった。あまりに、幸せで、
あまりに、大切にされているから。
恐かった。
この人と、いずれ別れることになる。
そう、声がずっと反響していた。
一人になったときの自分を思うと、不安になってしまうばかり。。。。

彼は帰りの車の中で、私にわびる。
「これまでも好きだったけど、大切にしようと思う気持ちが欠けてた。
一度失いかけて初めて、れのんの大切さをものすごく感じたし、
二度と、寂しい思いはさせない。」と。
彼は優しい。愛されていてきっと幸せ。
でも、私は涙を止められない。
「この人と、私は、いずれ、別れる。」
サヨナラ、イツカ。
なんて、私には言えない。


2001年06月10日(日)
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