恋のさじかげん
れのん



 メモより〜不倫の現実〜

不倫をして良い事なんて一つもなかった。
幸せな思いをしたことなんて、という方が正しいのかな。
不倫をする前は、不倫こそ、見返りを求めない「究極の恋愛」なのかもって
多少思っていた節があったし、そう思っていた方が正当化できて良かった。
不倫は、未来を相手に求めない分、恩着せがましくなくて、
(日本では、男性が女性を養っていくっていう意識、相変わらず残ってるし。)
今という時間を大切に思えて、
お互いを「今しかないもの」として大切に出来るって思ってた。
倫理を犯しても、お互いが強く求め合っているから、不倫という形が成り立つから。
けど、実際は全然違っていたのかもしれない。。<私の場合は
会えるときは、罪悪感。会えない日々は嫉妬と疑念ばかりが頭をもたげてた。
自分で断言するのも何だけど、私はきっと幸せでは無かったということだろう。
倫理を犯していても、愛し、愛されているという実感が有ったなら、
幸せと言えたのかもしれない。どんなに歪曲した感覚だとしても。
私の実際は、愛されていないかもしれないと言う不安と、
その実感のなさから、傷つき、焦り、ただ一人でもがき苦しみ、
そして、ただ一人きりで、疲労してしまっただけだった。
「どうして、この人には分からないんだろう」っていつも思ってた。
私が不倫で苦しんでいるっこと、それは当たり前だとしても、
その原因が、彼の「愛している」というたった一言で消滅してしまうってことを。
私が欲しかったのは、彼のたった一言だった。
それが例え未来を約束するものではなく、単に現状維持の言葉であったとしても、
私は、少しでも彼の手によって、救われたかった。
、、、、、結局、そうは成らなかったのだけれど。。。
辛い恋をすると、人の痛みが分かると言うけれど、
人の痛みなんて分からなくてもいいから、辛い恋は願い下げだなぁって、
不倫が終わってみて、そう思う。
でも、人の痛みが例え少しでも分かるようになったとしたら、
それはとても大きな遺産と言えるのかもしれない。
代償は、大きかったけれど、そのうち、
「そうでもなかった」って思えるぐらい、強くなりたい。

2001年04月03日(火)
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