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■ 恋じゃなかった?
このままの関係を続けることは、彼だけじゃなく、 あたしにとっても、大変な負担になることは簡単に想像がつく。 このまま何も言わず、別れてしまったら、きっと、 未練の情に押しつぶされそうになることだって、分かっている。 でも、あたしはここで勇気を出すべきだと思う。 この恋に出会えたことに感謝して、彼と恋をしたことを大切に思って、 お互いに、別々の道を歩いていくときだと思うから。 妻子のある彼が、日曜日だけあたしの恋人になる、その精神的な負担は、 鳴らない電話を待ちわびるあたしと、もしかしたら大差ないかもしれない。 現実に引き戻される彼が、口数少なく、どこか疲れたように見えても、 それはどうしようもないことだし、 そのことをもっと早く、気づいてあげられなかったあたしには、責任がある。 疲れた顔の彼を見るたびに、 あたしは自分の存在が疎ましく思われていると思い、 彼に愛されていないことを不安に感じ、 約束のないことに恋の終わりを覚悟していた。 恋はお互いを高め合うものでも、快楽を追求するものでもない。 きっと、身体的にも、精神的にも、お互いに恥をかかせあって、 その行為の成果として、 お互いを尊重する気持ちを芽生えさせるものじゃないかな? 動物的な体位で、動物のような声を上げて、皮膚と皮膚といわず、 粘膜と粘膜を、内臓に至るまでを、 知り尽くし味わい尽くす行為がセックスであり、 喧嘩をし、思っても見ないような事を言い合い、罵倒しあい、 価値観を戦わせ、外見から見えない腹の奥底に秘めた思いをぶつけ合う。 その両方の行為によって、お互いを知り、お互いを認めていけることが、 きっと、恋愛だと思う。 そして、あたしと彼がそれを実践するのは、無理だということ。 喧嘩が怖くて、別れが怖くて言いたいことも言えないようじゃ、 本当の恋は出来ないと言うこと。 私と彼が重ねて来たこの月日は、ただ、肉体関係にあったと言うだけのこと。 ただ、それだけのこと。 初めて好きになった彼と、恋が出来なかったことに、未練は残る。 でも、その恋をしたから、あたしはたくさんのことを知ったと思う。 この気持ちが過去になって、彼に再会出来たら、 あたしは彼に、「ありがとう」と言いたい。
2001年01月11日(木)
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