恋のさじかげん
れのん



 言えなかった言葉

哀しいばかりで、泣き通し。
何が哀しいのか、分からない。
だけど、はっきりと言えるのは、
あたしは、思っていることのほんの1パーセントも言えなかったと言うこと。
例えば、旅行の最中に本に読みふける彼に、どうして、
「一緒に居る時間はそう多くないんだから、一緒に何かをしよう。」
と、言えなかったのか。
チャイルドシートが見えるところに置いてあるのを見て、
「あたしと会うときは、こういうものを見えるところに置いておかないでよ。」
とか、、、、。
寝不足で車の中で眠ってしまう彼に、
「帰れるようになるまで、待っててあげるよ。」
仕事の電話がかかってきて、早々に引き上げることになったときに、
「仕事なら、仕方ないね。気をつけて帰ってね。」とか。。。
そういう後悔ばかりが募って、嫌われてしまっただろうことを思って、
泣いてばかり。。。
彼との未来がないことだって、分かっていたし、
彼しか見てこなかったせいで、人生に取り残されつつある不安が残るし、
彼が求めて居たのは、体だけだったのかな、、、
なんて自分の存在価値を軽んじてしまったり。。。。
拒絶されることが怖くて、嫌われるのが怖くて、
あたしは、自我を通すことも、無理を言うことも無くて、
彼の望むこと、できることなら何でもかなえたいって思ってた。
結局、それがあだになってしまったのだろうけど、
あたしがしたことって、そんなにいけないことだったのだろうかって、
思ってしまう。
あたしは、ちっとも悪くないなんて言うつもりはない。
だけど、少しぐらいは、分かって欲しかった。
結局は、言葉を介さないと人間は分かり合えないのかな。。。
とても虚しくて、とてもあたしは、孤独なのです。。。

2001年01月04日(木)
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