French Wolf の日記
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月曜日。
作文の添削 朝 5 時起床。昨日の夜ざーっと目を通しておいた例の高校生の作文の添削からスタートを切る。なかなかの腕前だ。高校生でここまで書ければたいしたものである。もちろん本人も謙遜しており、辞書を多用したとは言っていたが、それはプロの目からすれば一目瞭然であり、いずれにしても、和英辞典から無理矢理英語を作った部分はすぐさま露呈する。ただし、言いたいことは十分伝わっており、なにより構成がよい。将来ひょっとしたら、物書きになるのではないか、というくらい話の道筋が明瞭だし、わかりやすい。スピーチとしてはかなりレヴェルの高いものだろう。原文を披露したいところだが、ひょっとするとこの子が全国大会で発表することになるかもしれないし、今のところ著作権は彼に帰属しているから、ここでは割愛させていただき、「天才スピーチ少年、現る」の新聞トップ記事を期待していただきたい。(もちろんそこには影の仕掛け人として俺がいることも思い出してもらいたい。)
2 時間じっくりかけて、なるべく難しい言い回しは避け、複雑な構文を書き直した。あとは、本人が意図していることと俺が受け取ったものが異なるおそれがあるため、自分で添削した英文、その和訳、そして少々難しい単語・熟語・文法があると思われる箇所についてコメントをまとめた表を作成し、FAX で返信する用意を整えた。
平日の翻訳業務 その後、通常の翻訳が入ってきたが、いつもより早い時間の入稿で、10 時前には仕上げることができた。校正者にファイルを送信し、いよいよ昼食。昨日の夜の特製炒飯とカップ麺。
ここで小休止。ちょっと横になろうと思ったのだが、先日友人に勧められて購入した『会社にお金が残らない本当の理由』を読み始めた。これは正直「目から鱗」という内容では (現時点では) ないが、当たり前のことと考えていることを実践するのと、世間で常識と思われていることが実は現代の「理屈」からすると実は「非常識」であることを認めること、という 2 点では収穫が大きかった。何の本を読むときもそうだが、俺は基本的に心を空っぽにして読み始める。偏見や自分の考えをもって、筆者の主張にいちいち刃向かうこともできないことはない。だが、こうするとピュアな読書ができないことになる。賛否両論あるだろうが、俺は宇多田ヒカルではないが「白いキャンバスに読書という行為で絵を描く」ことを目指している。
ちょっと脱線するが、大学の 2 つ上の先輩でクラリネット奏者の R 子と学生時代議論したことがあった。当時俺は、本を読むときにはつねに「第三者的存在の自分を仮定して、客観的に読む」ことをモットーにしていた。一方、同女史は「それでは、本にのめり込めない、入り込めない」と反駁。これに俺は「読んでいる対象にはまってしまったら、自分を見失う」と主張。その後の展開の詳細は覚えていないが、今考えると先輩の主張は、「第三者の観点で著者の主張を読み取るのと同時に、自分が著者になりきって深く読み込めばよい」という論点だったように感じる。
宇多田ヒカルの例でいえば (どの辺が宇多田ヒカルなのかは微妙だが、とにかく、「Colors」で「青い傘が〜♪」という歌詞、「キャンバス」という文句があったように記憶しているだけのこと)、「キャンバスは白いのだが、その素材は今まで自分が培ってきた価値観が基礎になったもの。そして、その上で本が自動的に描く模様を鑑賞すればよい」というのが先輩の主張で、大学生時代の俺は「そもそも俺の固定観念に縛られたキャンバスがベース。そこには、こだわりの強弱で油性の下絵もあれば、水性、色鉛筆などさまざまな模様がすでに描かれている。その上で、本から吸収した自分にとって都合のよい情報だけをトレーシング ペーパー越しに見るように、重ね合わせる」というアプローチだった気がする。
今回、まだこの本を読破したわけではないが、紹介してくれた F 氏には感謝したい。また、読書の姿勢を改めて考え直すきっかけを今からさかのぼること約 10 年 (!!) に示唆してくれていた R 子にも感謝している。
プール 閑話休題。さて、今日は月曜だから本来ならばプールは定休日のはずだ。だが、ゴールデン ウィーク中、改修工事を行っており 3 日間連続でプールが臨時休業になっていたのだ。おそらくその埋め合わせのサービスだと思われるのだが、今日は例外的に午後 3 時まで火曜日と同じ日程で営業するとのこと。だいぶご無沙汰していたクラスにも参加することにした。「がんばれ平泳ぎ・クロール」と「中上級」に参加。前者はかつて平泳ぎとクロールで個別に「がんばれ」クラスがあったものが統合された。後者は「らくらくマスターズ」で親しまれていたものである。前半の平泳ぎとクロールはまぁ、大きな問題はなかったものの、中上級には泣かされた。ふだんビート板でキックの練習などほとんどしない俺にとって、キックの練習はつらかった。ちょっとずつ体力をつけていけば、また元気に「上級 (旧称: マスターズ)」にも参加できるだろうか。
2 時間弱プールに滞在したことになり、週の出鼻から体力の消耗が著しかったものの、心機一転といったところだろう。
再び仕事 家に戻ると、ちょうどタイミングよく校正者から仕上がったファイルが届いていた。これを納品。するとこれまたタイミングよく、今日中に納品する予定だった仕事が翻訳者から届いていた。優れた訳で、また細かいチェック、コメントを付けてくれている。何もコメントがないと、「理解した上で全部翻訳しているのか」はたまた「理解していない部分もテキトーにやっておいたのか」わからないから、全文を重箱の隅をつつくようにチェックしなければならない。コメントがあれば、そこが要注意箇所という指標になるからこちらとしては大助かりだ。(コメントの有無に関係なく、全体的なチェックは行うが、、、。) 一週間の滑り出しとしては好調だったが、その分明日からのツケが怖い。こんなに静かというのは、嵐の前の静けさに違いない。
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