Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2014年10月04日(土) |
ヤコブ・ブロ・トリオ@渋谷クラシックスから帰って、真っ先に、パソコン起動 |
ヤコブ・ブロ・トリオ@渋谷クラシックスから帰って、真っ先に、パソコン起動。
今日耳が出会ってしまった欧州のミュージシャンのサイトにアクセスして、本人レーベルからの最新作2枚をペイパル購入してしまったー。来月の生活がどうなろうと、今のおれにはカンケーない。それにしても、タダマスをやって、次々とよくも才能が出てくるものだ。スフィアン・スティーヴンスと並べてCD棚を新調したい才能だ。
ヤコブ・ブロ、トーマス・モーガン、ヨン・クリステンセン。大阪、岡山、新宿、渋谷と日本ツアー。ヤコブ・ブロの三部作を聴いて、アイヒャーはECM録音していたのだろう。このツアーの前にリリースされるはずが延期になって、CD宣伝無しでツアーになってしまった。ECMのハウスドラマーとして神のようなクリステンセンも71さいの老齢には勝ててない。CDではおそらく集中した演奏意識で相当期待できるけれども、ライブとなると、どうもクリステンセンがついてゆけてない。ヤコブ・ブロというギタリストも、強い演奏家たちの間合いに漂ってナンボという特質であるものか、畢竟、演奏はモーガンの力量にかかってきてしまう。モーガンが独走するわけではない。
モーガンは、ヤク中になっていたエヴァンスにいらだっていたスコット・ラファロ、とまでは言わないまでも、ずっと責任を取らされているような心境であったことだろう。
ヤコブ・ブロというのはそういうギタリストであり、クリステンセンは二人の演奏が聴こえていないようでもあるしモチアンの代役にもなれなかったのだ。
とはいえ、タイム感覚が漂うこのトリオの特質は、静かにバラッド然として燃焼し続けた。ステージは75分一本勝負、クリステンセンの体力を配慮してだろうか。アンコールはブロとモーガンの二人。
夢のようなトリオのライブは、夢の中のようだった。
クリステンセンを観るのははじめてだった。15年ほど前に、ラルフ・タウナーに向かってソルスティスまた演っておくれよとねだったおいらだったが。クリステンセンにはシー・カルテットの名演への感謝も伝えたかった。すべてのあなたの演奏を聴いて尊敬し続けていました、なんて、今さら言えないよ。若いECMファンがヴィトウスのファーストミーティングにサインをリクエストしていた。神野さんはクリステンセンに何を話したのだろう、マイソングが愛聴盤だとか言うんでないぞ、クリステンセンは小さなおじいちゃんになっていてお疲れなんだから。
練馬に帰ってきて、遠くに見える東京タワー。今夜は東京にクリステンセンは泊まっている。
田園調布からバスに乗る。街角を曲がると、新しい時間が流れている。友だちとバスに乗って話す。あれはおれのものだ!おれは友だち以上になる!即興もコンポジションもできてアンサンブルも調達できてポップスの心得もある。急行に飛び乗るのに、駆けることができない。あれー、おれはこないだまでものすごく早く走れたんだ、はたちのエグザイルみたいな逃走する万引犯を捕まえていた、足が地面に着いていないくらいに飛ぶように走れた!地に足が着いていない人生なのは変わらないけどさ。
なぎらさんのジャズザニューチャプターの盛り上がりに便乗してか、エレキングから『プログレッシブ・ジャズ』なる本が上梓されている。ここでもフライング・ロータスが大きく扱われているけれど、おいらの耳にはフライング・ロータスは豪華なラーメン以上の感興がわかないでいる。
細田成嗣さんというライターのページ、2010年代即興演奏家カタログ、には、ルシオ・カペーセ、マグダ・マヤス、笹島裕樹という福島恵一さん(と、おいら)しか激賞していないアーティストが掲載されている。益子さんに教わって今回JazzTokyoCDレビュー2番目に入れたメアリー・ハルヴァーソン盤のケヴィン・シェアまでも。
Tokumaru Jumei : "Onoe no Matsu" 「尾上の松」 ■
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