Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2011年07月26日(火) |
クレイグ・テイボーンのこと |
クレイグ・テイボーンのピアノソロECM『Avenging Angel』を 聴いてすぐに「これは歴史的な盤だろう。ピアノ・ソロの革命を、またECMが、というのに近い。」■ と日記に書きつけてみたのだった。どこからも評判が聞こえてこない中で、ECM好きで通してきているおいらはドキドキもんではある。
CBSソニーでサンタナの横尾忠則ジャケを手がけた、ポニキャニでは高木元輝・阿部薫・土取利行・近藤等則とミルフォード・グレイヴスを邂逅させた『メディテイション・アマング・アス』■(このおそろしいテキストを熟読推奨)を制作した、磯田のおじさんが反応してくれて「あれはいいね!」と。
「おのれの響きに耳をそばだてて同時に音楽のロジックを見失わないままに鍵盤に対峙している孤独な厳しさ。この演奏はクラシックなりジャズなり聴き手の引き出しによって聴き手が道を見失うような仕掛けに横溢している。テイボーンは”その音”を弾いていない。空間の、聴こえないところに音を鳴らしている。」とは書いてみたものの。
「良さをうまく言えない」というと、小林秀雄は美はひとを沈黙させると言った。小林秀雄はマンフレート・アイヒャーの和名なのだろうか。
テイボーンがロスコー・ミッチェルのノート・ファクトリーの一員としてライブ公演していたら、メタルヘッズたちが聴いていて、そいつらになんでやときいたら、Gorgutsの『Obscura』を聴いてみなはれと言われたそうな。昨年テイボーンはGorgutsのギタリストSteeve Hurdleとデュオ公演なんて実現させている。■
なんや?ジャズでもクラシックでもなく・・・メタルなのか???
All about jazz のレビューではアルヴォ・ペルトの「フォー・アリーナ」との類似指摘があるが、それは浅いな。■
ヘヴィ・メタルは音色のトーン、コードで構築するモンである。
メタルをなめてはいけない。1976年中3で賭け麻雀のBGMにジューダス・プリーストのセカンドをかけていたオレだぜ。
テイボーンは00年前後のサースティイヤーのブルーシリーズの勃興時に目はつけていた。しかしシリーズの『Nu Bop』までを評価した(ギレルモ・E・ブラウンのタイコ!)ものの、04年テイボーンの『Junk Magic』で終わってしまっていたのだ。益子さんは同作を『ピアノ・トリオ』で賞賛していたのを意外に思っていたのだが、わたしはテイボーンのフェンダーローズを聴きそこねていたのかもしれない。
テイボーンはカールクレイグのインナーゾーンオーケストラにも参加している、というのも、情報としては当時知っていたが、まったくノーマークではありました。
|