Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年10月16日(土) |
今日は「ECMカタログ出版記念祝賀会」 |
南青山のライブスペース「月見ル君想フ」にはじめて行きました。先月アーリル・アンダシェン(アリルド・アンデルセン)が待望の来日公演を果たした場所。今日は「ECMカタログ出版記念祝賀会」がありました。現代ジャズの同行二人ルフィ大佐とトヨツキー将軍とともに歩む南青山の裏通り。
ECMカタログにはアイヒャーも感激してくれたようで、ECMサイトでも発売されることになった。廃盤やレア盤まで収録した内容は、外部の手によらなければ公開されないものだったし、アイヒャー周辺のひとたちの好感触も伝えきく。おいらは及び腰かつ好き勝手な記述での参加で今となっては稲岡親分に暴言の数々を詫びたい心境であるが、こうなると目指すは翻訳化だな。アイヒャー、怒るぞ、おれの記述に。増補版をめざしてちゃんとECMを追いかけておかなければ。
「稲岡邦彌、悠雅彦、杉田宏樹による鼎談」 今村健一さんが名古屋から駆けつけ司会の任。アイヒャーがインタビューで、ECMの成功には日本の関係者・ファンのちからが大きかった、と語っていたことを紹介。杉田さんのECMとの出会いはジャレットの『ステアケース』だったお話も面白かった。
「ニック・ベルチュによるソロ・ライブ」 さすが日本通のベルチュだ。ジャレットの日本公演LP10枚組ライブ、稲岡さんとアイヒャーの記念碑的偉業だ、これの大団円、札幌公演のアンコール、一音連打の持続、これをもとにベルチュは禅スピリットによるグルーヴ演奏をしたのだった。・・・これを指摘すると稲岡親分も大沢親分も「考えすぎだろー!」という。いや、もう、あのジャレットの果てからベルチュは現代性にアダプトさせてみせたのだ。ちょっと、ニックに確認してみてくださいよお、と食い下がるニセコロッシなのであった。
「ECM ドキュメンタリー映画 “Sounds and Silence”」 アイヒャーとともに旅をする。アイヒャーと、ペルト、ベルチュ、トロベーシ、サルーシ、それぞれ異なったコミュニケーションが垣間見られる。ニック・ベルチュとアイヒャーのシーンでは、音のタイミングや音配置の取りかたにまでアイヒャーは確固とした指示を出していたのが印象的だった。ベルチュたちはアイヒャーの楽器に過ぎないと言ってもいい。ま、そんなことは関係者には言えないことだ。
ニック・ベルチュを聴いたのは05年の『Stoa』で、これはピアニストの作品というより5にんの演奏家による描かれた音像の持続体験が新しい何物かだと思った。musicircus試聴室でのECM再生に適した聴取で、「今度トリオで初来日しますよ」と言われて「いや、この5にんで聴かないと意味がないんじゃない?」と話した記憶がある。アイヒャーがここまでおのれの楽器として彼らをサウンド構築しているときに、ピアノトリオでの演奏というのは、また彼らにとって新しいチャレンジとなったものと推測される。
「"ECM Library" (青山「月光茶房」) オフィシャル・オープニング発表」 (明日の日記につづく)
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