Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年09月23日(木) |
今週の日曜、26日、渋谷アップリンクでの純喫茶ECM、へのお誘い 2 |
ECMは迷宮である。ECMには魔物が住んでいる。そんな曲ばかり選んでしまった。
21世紀の耳をもってして、復活してくるデモーニッシュな響き。演奏者も制作者も意図していなかった聴取によって。
渋谷アップリンクのオーディオルームの暗闇に鳴り響くときに、あたりは海原になっていることだろう。 ■タガララジオ14 ■タガララジオ15
麻雀競馬コンサートでお年玉も捻出できないワーキングプアな父親しか知らない子どもたちに「おとうちゃんはプロの芸術家と音楽評論家と並んで講演をするんだぜ見に来い」と誘うと、親権を保持するエクスワイフから「子どもたちの人生を踏み外させるつもりですか!次男は来年芸大を受ける受験生なんですよ!」と抗議がはいる。ECMの怖さをよくわかっているのはさすがだ。ECMの深い森にさまよう者に地上の幸福はない。
いくつものECMジャケを思い描いては夜空を見上げる。わたしはジェンナーの心境なのだよ。これを知った者は、もはや若い女性とか一万円札とかウニイクラ丼とか出世の歓びとかモダンジャズとか、そのようなものに人生を棒にふることはないのだ。
さあ、出撃だ。伊武雅刀の「子供達を責めないで」が耳に鳴る。
わたしはECMファンが嫌いです。うん。わたしはECMファンが嫌いだ!キース、チック、パット、好きなものしか聴きたがらない。スイングするものにはフタをする。リバーブをかければいいと思っているところがズルい。タウナー、ガルバレク、ジスモンチ、どこがジャズなんだ!ワタシは知的です、というあの目がいやだ。いかにもアートですというあのジャケがいやだ。不愉快だ。やたらジャズを語るECMファンも嫌いだ。AEC、ビルフリーゼル、デイブホランド、ルイスクラヴィス、ポールモチアン、マークターナー。熱を奪っているじゃないか。なにがクリスタルサイレンスだ、なにが部屋の温度が5度下がるだ、計ったことあるのか、なにがソングオブノルウェーだ、なにが愛のカフェオレだ、なにが心の瞳だ!なにが沈黙の次に美しいサウンドだ!わたしはほんとうにECMファンに生まれなくて良かったと胸をなでおろしています。わたしはECMファンが嫌いだー!
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