Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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作文しているおいらのコラムには好きなものしか入れないので、以下のテキストはここに捨てとく。
ジャズ即興リスナーをなめるなよ。
Yokohama / Aki Takase, Louis Sclavis (Intakt Records) 2009 格段と上手くなった高瀬アキにぐっと手を握る。スクラヴィスはコンポジションを見据えた即興の構築というECMでの定額収入の安定した道を歩んでいて血みどろもフォークも捨てた、哀しすぎるぞ、てんだからそれはそれで。で、演奏は教科書的なものに終始。これみよがしな手持ちのステップでダンスするよな即興演奏だ。スクラヴィスの「Le Temps D'Apres」はコンポジションで聴かせるという前提で楽しめた。続く「黒船」、高瀬のプリペアド・ピアノの演奏イントロ、このクリシェは80年代ですでに恥ずかしかったのにー、おばさん臭さにCD止めたくなる。とはいえ、97年の群馬県桐生市でのシュリッペンバッハとの来日公演で「即興演奏は伝統芸能だった」と教えてくれた恩人ではある。なんで横浜なの、横浜で録音してないのに。横浜のイベントに出前の発注に応じた飴玉職人の営業以上のものはない。即興かくあるべしという野暮は言いません。ふたりとも、こういう演奏をしていて恥ずかしくならないのですか?横浜開港イベントの記念切手程度の存在てのが実態。
a time for eveything / Yaron Herman (La Borie) 2007 Yaron Herman piano Matt Brewer bass Gerald Cleaver drums これ以上書かないけどね>■。いらついたのは、クラシックの公演でもらえるチラシのたばのなかに“キース・ジャレット、ブラッド・メルドー そして・・・未来は唐突に訪れる”などというフレーズで、クラシック・ファンもなめられたもんだなー、高齢化してるとはいえこんな振り込め詐欺はいかがなものですか、三文コピーライターの、いやいや偽装表記だって!表現の自由をばかにすんなよ、なんのために人類は表現の自由を獲得したのだ・・・。なになに、e.s.t.のあとを継ぐような存在だとか、バット・プラスとはちょっと違うでしょう、それくらいでいいと思います。レッツ・エンターテイン!ぼくが若い頃はメセニー・グループがいたけど、今はこんなのしかないかー。それよりも、ニック・ベルチュのほうだろ、可能性もスリルもある、真摯な姿勢にも好感の持てるのは。指先の可能性ではバティスト・トロティニョンBaptiste Trotignonがいい。
音楽は好き嫌いじゃない。おれたちリスナーは耳にカミソリやナタを持って聴いているんだ。
おっと今週のJazz Tokyoでは石井彰のライブ評かね。しかもあのホールで。イーストワークスは外タレ以外全滅ですし。ECMファンは石井彰の弾くLadies In Mercedesを聴くとそのお子様ランチぶりが手に取るようにわかります。
Jazz Tokyoは独立レーベルを応援するという気概はあっていいが、このような茶番が結果新しいジャズリスナーを潰していることに無自覚だ。いいコラムもある。書き手では若林恵がピカイチだ。ウイントン・マルサリス盤のレビュー■は、語り継がれるべき一撃だろうと思われる。おれは36さいで仕事をやめて200まん使ってフリー即興アヴァンギャルド音響CDを買いまくったがすでに97%売っぱらった現在の耳の到達にあって、撃たれた。
って、まだそのCD聴いてないんだけど。ほんとにそんなんなのかマルサリス。半年まえにマルサリスのヴィレッジ・ヴァンガード・ライブBOX(8CD)を、古今のヴィレッジ・ヴァンガード・ライブ盤(ロリンズからJJジョンソンまで)ばかり集めて聴いたときに取り組んだが、おいらがどんなコンディションにあっても聴くのが辛くてCDを止めてしまうのを5回やって、なにやってんだおれ?と駅前に牛丼くいに行ってしまったほどのキツいジャズ演奏だった。でも、もしかしたらマルサリスに変化が、もしくはおいらの耳に変容が。こわい話だ。もうジャズ聴くのやだ。
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