Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2009年06月14日(日) |
ブノワ・デルベックのマークターナー入りユニットの2004年作品 |
シュビヨンを聴いてたら、 「ジョー・マネリとブノワ・デルベックを世界標準にする」と言いのけていたかつての自分の使命を思い出した!
ブノワ・デルベック。フランスの鍵盤奏者。ノエル・アクショテ(!)、スティーブ・アルグエルと組んでいたトリオ「リサイクラーズ」で、脱関節的な不思議でカッコいいジャズをやっていました。10ねん以上前だー。
04年にソングラインからリリースした『Phonetics』■<米アマゾンでは試聴できるとです では、マーク・ターナーとのユニット結成であり、「フランスとアメリカで惹きあっていた、さすが、天才同士、互いをわかっているのね」 なんて思ってそれなりに聴いていたんだが・・・その後すっかりこのCDのことを忘れていました。 Benoit Delbecq Unit: Oene Van Geel (viola); Mark Turner (tenor saxophone); Benoit Delbecq (piano, sampler); Mark Helias (bass instrument); Emile Biayenda (drums).
デルベックの痙攣美的なコンポジション、と、ターナーのトーンとソノリティに耽溺する静止感覚、が、それなりにうまく融合した盤である。
ターナーというキャビア素材をあしらった、フランス料理という味わいでごじゃる。 ベースのマーク・アライアスもジャズの感覚で健闘しているけれど、タイコとコンポジションが変拍子楽譜思考に裏打ちされているもので、 ジャズとしては非力な、またアタマでっかちな線の細さが否めないのも確か。 だけど、彼らはコレを演りたいのだし、コレ以外はできなかったのだからしょうがない。 サンプラー遣いとしてのデルベックの魅力もあるtrack4「4 Mal W」は、たぶんマル・ウォルドロンに捧ぐ、というトラックだと思う。
クラシックの感覚に基づいた演奏であることは、 ECMの作品群がそうであるとおり、必ずしもジャズとして非力には聴こえるわけではない。
これがさ、リーダーのデルベック以外がすべてニューヨークのジャズシーンにいる人材だと、また様相はがらっと変わる。
デルベックをただただ天才だと騒いでいた10年前とは、多少クールな視点を持つものだけど、そこは正直になっておこう。
なんかさびしいなあ。
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