Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEXpastwill


2008年03月01日(土) 児玉桃ピアノリサイタル〜メシアン生誕100年を記念して〜




パリ在住の国際的なピアニスト児玉桃のリサイタルを彩の国さいたま芸術劇場で。

日本初演の「ヴァイオリンとピアノのための幻想曲」(1933)はメシアン25さいの作品で、彼女がメシアンの未亡人イボンヌ・ロリオから手書きの楽譜を譲り受けて2006年にフランスで世界初演をした。
これ、あまりメシアンらしくないというか、ドビュッシー〜ラヴェルのラインというより、突拍子もなくブレヒト〜ハンス・アイスラーの音楽に連想が飛んでしまうところがあった。それってフランスらしくもないってことだよね。

1曲目のメシアン演奏で児玉桃が披露したのは、鳥のさえずるメシアン、を、さらに鳥が歌うメシアンにまで演奏の表現を、深めたのか変化させたのか、今まで聴いたことのないメシアンの表情だった。もしかしたらこっちのほうがほんとうのメシアンだったの?おそらくそうなんだろう、可憐で速度があってポップでさえあるドキドキするようなメシアン『鳥のカタログ』。

だからこの日演奏されたドビュッシーとラヴェルも、そんなメシアン調にカラフルだったのだ。
まあ、おいらが聴いてるラヴェルドビュッシーはコチシェとかミケランジェリみたいなピアニズムなのだからたいていの演奏はカラフルに感じるのかもしれないけれども、児玉桃の指はメシアンを弾く身体になっていると判断するのは間違いではないと思う。

そんな指で弾いたアンコールのショパンだ。そもそも彼女はショパン弾きでもあるのだったが、すっごく良かった。おれはショパンは嫌いである。ピリスのショパンは聴くかなーくらいにショパンは聴かない。ろくなもんでないと思っている。だけど彼女のショパンはとてもいい音楽だった。

彩の国さいたま芸術劇場は、ハイナー・ゲッペルスの劇場作品を、あれは何だっけイブ・ロベールがトロンボーンだったよな、10年くらい前に聴いた以来、だけど、この音楽ホール、造りは外見立派だけど音の響きはいまいちな気がする。きちんとしたコンクリを使ってないよな気がする。


児玉桃ピアノリサイタル〜メシアン生誕100年を記念して〜
メシアン: 《鳥のカタログ》 第12番 〈クロサバクヒタキ〉
ドビュッシー: 2つのアラベスク
ドビュッシー: 版画
ドビュッシー: 喜びの島
メシアン: ヴァイオリンとピアノのための幻想曲(日本初演)
ラヴェル: 夜のガスパール
メシアン: 《幼児イエスにそそぐ20のまなざし》より 第10番 〈喜びの聖霊のまなざし〉 ほか
【アンコール曲】
ショパン: ワルツ第3番 イ短調 作品34-2
メシアン: ヴァイオリンとピアノのための幻想曲


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

My追加