Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2008年02月29日(金) |
高田泰治フォルテピアノリサイタル@東京国立博物館法隆寺宝物館 |
中野振一郎のチェンバロは図書館通いの日々にゴルトベルクのCDで聴いた。 初めて聴いた瞬間からファナティックな雰囲気が漂う抗い難い強度があった記憶がある。
上野の東京国立博物館にある法隆寺宝物館■で中野振一郎の弟子である高田泰治のフォルテピアノリサイタルがあった。
法隆寺宝物館はニューヨーク近代美術館(MoMA)の新館や東京都葛西臨海公園展望広場レストハウス■や慶應義塾幼稚舎新館21を設計している谷口吉生(よしお)■が設計している。音響的に設計しているわけではなさそうだし、四角のガラス箱の中にフォルテピアノを持ち込んだわけだから、多少はきんきんするかも。
開場して宝物館に歩いてゆくのはなんともいい気持ち。調律師がフォルテピアノを鳴らしている。
座席について開演時間になっても調律師がフォルテピアノを鳴らしている。耳がへんになってきたし。それに調律はだいじょうぶなのか?
演目はハイドンとモーツァルト。
伝統と現代性の交差する建物で現代ピアノの前身であるフォルテピアノが奏でられる場合、おそらく作品を忠実に再現するようなアプローチの演奏に現代性をどう反映させるかというかなりハードルの高い演奏を期待していたのだけれど、個人とか個性にしか帰着させられない表現に起伏のある演奏におどろいた。24日に聴いた関野直樹の破格さにはダイレクトに演奏者の意思が伝わるものがあったが、この日の演奏はとても疲れた。
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