Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年10月07日(日) |
阿部薫みたいなクソガキ |
あがた森魚のシングル「アカシアの雨がやむとき」79年6月9日録音というのもあった。■ (こんな記事あったんだ>■) 副題の「亡きAに捧げるタンゴアカシアーノ」の“A”とは阿部薫のこと。78年9月9日死去。
おいけいま。 大学に行ってアルトをやるのなら、ポール・デズモンドを参照点に置くプレイが21世紀的であることをおぼえておくように。 サックスはブロウではない。速度(チャーリー・パーカー)と音色(デズモンド)、トーン(マーク・ターナー)に未来がある。 コルトレーン、ドルフィー、アイラー、というラインは、違うところに行ってしまうので、ねえ・・・。 世界には知られていないけど、日本には林栄一の『音の粒』という国宝もののアルト・サックス・ソロがある。今度聴かせる。
阿部薫みたいなクソガキにはなってほしくない。そもそも、ああいうふうに吹けるやつはいないし、立つ状況もない。
75年の1月だったと思うが、西荻窪の「アケタの店」にトリオかカルテットで出演した時のことである。阿部は演奏の大半をピアノに費やした。そして演奏が始まって1時間位のところで、阿部はポケットに隠し持っていたペンチでグランド・ピアノの弦を切断し始めた。マスターの「やめてくれ!」の言葉とともに演奏を終了せざるを得なかった。「僕がピアノを演奏する時は弦が必ず切れて困るんだが、今日はなかなか切れなかった・・・」これが演奏内容に関しての僕への答えであった。友人としてもミュージシャンとしても愛想が尽きたのはこの時であった。 (大場周治さんのテキスト)
音楽がすばらしければ、おれはほかはどうでもいいと思うんですが、阿部薫のサックスにはこういったエピソードも内包しているところがあって、音楽ってこええなあと思う。
阿部薫『暗い日曜日』を聴くと、つい納豆をかき混ぜるおはしの速度が上がったり、自転車をこぐちからが出たり、同僚への言いにくい指示も出せたり、は、するんですが、「これはすばらしい音楽だ」と青空にむかって祈るような気持ちにはならないです。
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