Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年10月06日(土) |
ジャレットの『アップ・フォー・イット〜ライブ・イン・フランス』 |
ジャレットの『アップ・フォー・イット〜ライブ・イン・フランス』。
1曲目のイントロ、55秒ほどのところまで。ピアニストの意図した抜群の効果が決まっている。花火職人ジャレットは、どの曲も、予め仕掛けの概要はプログラムしてあって、その場で瞬間的にアレンジを施すだけなのだ。このフランスでの公演は天候に恵まれず、直前にピーコックは「やらない」と沈黙をはさんで明確に言ったのに、ジャレットは自分も関節炎だと言いながら「ぼくたちには音楽という治療が必要なのだ」と思ったという。4曲目ピーコックはソロをうながされて黙ってしまっていたのがわかる。ジャレットはライナーで「ぼくらの国アメリカは今にもイラクと戦争をし始めようとしている」と珍しく時事的なことを嘆いているけど、自分はどうなのよ。「枯葉」から展開したタイトル曲、うまくいった思いつきはラテン的で、フランスの聴衆と共犯したのだろう。
と、まとめてみた。5曲目なんか冒頭ピーコックのご機嫌取り狙いだったのは明白だし。タイトル曲、単にラテン的に踊ってみせただけで、タイトルにするほどのものだろうか。ピーコックこのとき67さい。ジャレット56さい。・・・。
おれさー、33才でアイラーのスピリチュアル・ユニティ(1964年)を弾いたピーコックが、今だってプーさん+モチアンがいるのに、それに他にももっと有意義な時間の過ごし方があるだろうに、と、思う。もっかい京都に来て禅の修行してベースソロでも録音してほしいものです。
ピーコック〜ジャレット〜デジョネットは『テイルズ・オブ・アナザー』とスタンダーズの最初のセッション(3枚の作品になった)だけでいいと思う。 あと、『スティル・ライブ』だけ、ライブ盤としてあっていいけど。 ジャレットは、ほんとうにいつまで保護者同伴の学芸会をしているつもりなんだろう。音楽の神さまに許されないとジャレット自身がいちばんよくわかっていることだと思う。
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