Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2006年09月11日(月) |
長部重康著 『現代フランスの病理解剖』 山川出版社 |
911から5年。 テロとは何か。これは案外と、神の暴力とか、天罰とか、必殺仕置人とかいう、 俗(お金至上主義的行動様式に蔓延した)に倫理を立てるちからがあるかもしれない。 「こんなことをしていたら、神さまに叱られちゃう」 いわんや悪人をや。 あ、いけね。みんな成仏してしまう仏教徒になりたいんだった。 わたしは空海ファンです。
■ 長部重康著 『現代フランスの病理解剖』 山川出版社 2940円 序章「パリは燃えているか?」を読み始めて、そいえば、サッカーでジダンを応援していた頃、フランスでは暴動が起こっていたらしいのを思い出した。この暴動がフランスにとっての911である、という云いの深刻さ。フランスの精神は郊外に低家賃高層団地というゲットーを創出していたようなのだ。四分の三以上を原子力が占める、なおかつ半分以上が過剰供給状態である電力発電。一部上場上位40企業の外資比率は44パーセント(アメリカ7%、日本10%、イギリス16%と比せよ)となるグローバリゼーションの最先端を行く国家。自国の政治の効力も失っているのは自明なのだし。フランスの知識人が精神をかけて擁護するのは連帯貴族・インナーというエリート労働者層であり、移民層・アウターではない。フランスの原子力発電所がテロにあって爆破されたりしたら、・・・うええ、考えただけでおそろしい。
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