Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2005年06月03日(金) Coccoがくるりをバックにシンガーソンガーとして歌う「初花凛々」

“ハロー!ハロー!ハロー!”
Coccoがくるりをバックにシンガーソンガーとして歌う「初花凛々」は、わたしたちをどのように晴れがましい気持ちにさせるのか。
世界に向かって“ハロー”なんて手を振る小沢健二、さえ連想させはしないか。

わたしは、Coccoの再デビューとして「初花凛々」を聴いたとき、その基調アレンジのギター音に耳が釘付けになった。

「強く儚い者たち」の世界に鳴り響いていたギター音だったのである。

Coccoにとって「強く儚い者たち」という楽曲は、想い続けるレンアイごとにおける、「トビウオのアーチをくぐる」→霊体となった状態もしくは魂だけの状態、つまり死後にまで持ち越すレンアイごと、の世界を歌った、すさまじい曲なのである。彼女の代表曲のひとつと言ってよいと思う。

「初花凛々」における「強く儚い者たち」の痕跡といえるギター音は、ジョン・レノンがほぼ5年ぶりの沈黙を破って80年に発表したシングル「(Jusy Like) Startin Over」のイントロに鉦が3音、これが「マザー」で鳴り響いていた鐘の音の痕跡であったことを連想させる。

Coccoも、レノンも、再生するのである。
この音の痕跡は、アーティストが意識的に、もしくは無意識的に選び取る、音でできた“へその緒”と言えるかもしれない。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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