Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年03月17日(水) |
(国分寺に行った)・『フライング・トゥー・ザ・スカイ / 本田竹彦+ゲルト・デュルック』 |
新宿を経由して府中自動車試験場へ。 国分寺にある、学生時代によく行ったジャズ喫茶のあった場所へ20年ぶりに訪れた。 まわりの景色だけが変わらずに、そこに新しいビルが建っていた。
むかし住んでいた場所を訪れる。公衆電話があった場所、角の酒屋、大学の正門、駅裏路地の中古レコード屋。
本屋に向かう路地ひとつにも、ともに歩んだ友人や歩き始めた頃の長女や雪が降った日や月がきれいだった深夜や見送った彼女のカバンの色などが、意識のコラージュのようになって映って動けなくなる。
中央線は拡張工事に伴う交通誘導。
あちこちをまるで夢遊病者のように車を走らせて、途中吉祥寺でCDを20枚ばかり購入して、練馬に向かった。
この日記の色彩を変えたものの、まだ理想的ではない。
ジャック・ニコルソン主演の『アバウト・シュミット』を観たら、なんだか今日の自分ような感じじゃんか。 映画としてはなんてことない作品。
エンリコ・ピエラヌンツィ、デイブ・ダグラス、マイケル・ムーア、ムーンドックEP復刻(!)、ECM盤新譜3種、バド・パウエル、アンソニー・ブラクストン、ポールデズモンド、・・・
『フライング・トゥー・ザ・スカイ / 本田竹彦+ゲルト・デュルック』 これはまったくコルトレーンのガイストが憑依しているような名演で、つい3回くりかえして聴き入ってしまう。
ゲルト・デュデックは、ジャズ評論家のヨアヒム・E・ベーレントをして「ジョン・サーマンとゲルト・デュデックは実力のわりには知られていないクロート筋から注目されている才能だ」と言われるサックス奏者で、これにジャズ評論家の油井正一は「ぼくはこれにイギリス出身のエヴァン・パーカーを加えたい」としている。すごいよね、1971年初頭のやりとりである。油井さんはジャズの歴史の語り部でもあったし、いち早く才能をピックアップするアクティブさにも現場からの慧眼を発信していた。
国分寺の喫茶店ではよくコルトレーンがかかっていた。
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