Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年02月29日(日) |
パットメセニーの『The First Circle』はフラメンコだった・マスラヲコミッショナーを聴け |
このところ、選曲CDR『Feel Myself - 2004 Feb.』(>2・23参照)を友だちに聴かせまくっている。
(1) 「おら!これ、聴け!」と、そのために群馬の子どもたちに手渡しにいって、ついでに食べ放題でメシ食われて、買い放題で本買われて、モスバーガーにも寄られて、セブンイレブンにも寄られて、財布の底がつくまで散財させられた。 でもいーんだ。こどもたちにフィール・マイセルフおしえられるこのよろこびー。 (しかし、さっき電話して検証したら、誰も聴いていないそーである。期末テストでそれどころじゃない、という。あのなー、期末テストどころじゃないだろ、フィール・マイセルフだろ!おやじの言うことを聴け!)
(2) 音楽プロデューサー、雑誌編集者、出版プロデューサーといった肩書きを持つ若者たちにこのCDRを渡し、 「1曲目『Feel Myself』を聴いていると、5分過ぎに空中に浮遊するんですよー」と言ったとたん、 「・・・たださん、空中に浮遊するんですか?」と、怪訝な顔をしている。 手にしているスポーツ新聞には麻原彰晃に死刑判決のニュースがあった。
▼ (3) 「たださん、聴きましたよ。たしかに坂本真綾の『ヒーロー』は音響派的な音を使っていますけど、これって、引用にもなっていない、いわば窃盗ですよ。」 「そこまでは言わないけどねー。」 「たださんはこういう音響派的な音使いをさして、“ポピュラーミュージックに回収されるだろう”と言うんですか?」 「・・・。」 「エイフェックス・ツインが出たあとも、あのドラムンベースをそのままアレンジに使用した例もありましたけど、そういった事態は、回収でも、ましてや引用にもなっていないとぼくは考えますよ。」 「はあ・・・。」 「菅野よう子はいい旋律を書きますね。菅野さんの『ぼくの地球を守って』なんかは、かなり好きです。『Feel Myself』も良かったですよ。」 「だろー!」 「でも菅野さんの、たとえばビョークの『ハイパーバラッド』をそのまま使ったような曲もありますけど、その引用にもなっていないパクリのあっけらかんさ、って、創造性のある天才というものではないと思います。むしろ、職業的センスとか、そういうものであって。そこまでやるか、という。」 「なるほどね。」 「だからぼくは菅野さんの仕事って、笑ってしか聴けないです。」 「なんだかんだ言っておれより聴いてんじゃん。CDジャンキーにならなくても、ふつーの子どもたちが彼女のCDからアレンジを通じて、そういう音楽の快楽にアクセスできているという事態は、ぼくはすごく大切なことだと思っているけどね。」 「そうですか。あと、my little loverの「evergreen」を聴いて笑ってしまいましたよ。パット・メセニー・グループじゃないですか。」 「だろー。ぜったい聴いてから作っているよな、小林武史。」 「でしょうね。でも、my little loverって、このあと全然面白くないのはどうしてでしょう。」 「おれの直感で言えば、ベースの音が重要じゃなくなったから、というのが理由。ベーシストが抜けたんだよね、『evergreen』のあと。」 「ベースの音ですか、そうかもしれませんね。」 「あとさ、あのCDRで「The First Circle」なんだけどさ。」 「ナイロンギターのラインにはうっとりさせられますね。」 「おれ、あの曲を聴いて20年ぶりにわかったんだ。あのさー、パット・メセニーの「The First Circle」は、フラメンコだったんだよー!」 「そうですかー。」 「あれ?驚かないの?もっと驚けよ。「The First Circle」は、パット流フラメンコなんだよ。」 「ああ、そうですかー。」 「・・・。」
▼ 元気を出せい。
板橋区限定、19才以下女子限定(!)、で人気が沸騰している、インディー・パンク・バンド、マスラヲコミッショナー(■)を聴け。 CDはすでに1万枚をクリアしたそうである。 新しくはない。知性も過去もパンク精神もない。青春の元気さだけがある。 遠藤真志(g,vo)、宇野元英(b)、近藤隆(ds)。 エレファントカシマシ・宮本浩次もこの初期衝動めいたエネルギーに触発されるべきかも。
the music i listen today - 黒盤 / マスラヲコミッショナー (おもちゃ工房)2002 そして全ての「益荒男」と「手弱女」、「わんぱく」と「おてんば」に捧ぐ
■musicircus
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