Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年02月25日(水) |
ヨーロッパの精霊4人組としてのヤン・ガルバレク・グループ(きっと水木しげるもびっくり) |
すみだトリフォニーホールで、ヤン・ガルバレク・グループの公演があった。 ものすごく楽しかった。
4人がステージで演奏している姿は、 ムーミンの世界、の、にょろにょろとか、 スナフキンや、ミーや、ヘムレンさん、 のように、素敵でした。
ガルバレクはノルウェー、マズールはスウェーデン、 ウェーバーとブリューニングハウスはドイツ、です。 やっている音楽は、ジャンルの壁を越えた 「ガルバレクの音楽」、としか言いようがないものです。 パット・メセニー・グループのコンサートと ほぼ同じ構成感覚を覚えましたし、 東儀秀樹のコンサートとも大差ないものです。 この場合、そもそもジャズであるかどうかが 問題にならない音楽であるという点で共通している。 コンサートを聴きながら、 「あー、うちのむすめはこんなふうに 東儀秀樹のコンサートを聴いてきたんだろうなー」と、思った。 わたしの耳はまたしてもひとかわむけた。
あれ。
むかし、純粋ECMファンだったころ、 ジャズ・ファンに「ECMはジャズじゃない」と、 インプロ・ファンには「ECMは即興ではない」と、断ぜられ、 「ECMが何かである必要があるんだろうか…」 と思いつつも、ジャズを、即興を、わかろうと、 必死にひとりジャズ修行僧になって過ごすこと幾年月、 ようやく彼らの言うところの感覚を会得して、 今日はヤン・ガルバレクを聴きに来た。
ヤン・ガルバレクが自らのカルテットにビル・コナーズ、 ビル・フリーゼル、デヴィッド・トーンを迎えて録音していた時期、 は、ガルバレクは自分の音楽とジャズをアマルガムにして 彷徨っていた。たしかに彷徨っていた。 そして、彷徨うこと、は、ジャズだ。
今日のヤン・ガルバレク・グループを聴いて、 「ジャズじゃないじゃん」 と、野暮を言うのはやめよう。 音楽に耳を澄まそう。
▼ 公演後の楽屋で、ヤン・ガルバレクと話をして、握手をした。
女の子のような透き通った声をしていた。
手が大きくて肉厚でマシュマロのように柔らかかった。
▼ 多田雅範による、ヤン・ガルバレク・グループ来日公演レポート全文は"musicircus"に掲載しています。 ■musicircus (ECMコーナー内の「ECMファンクラブの記録」にあります)
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